主力離脱の逆風を追い風に イーグルスのブルペンを支える、ドミニカンエクスプレス
ついに正捕手も骨折で離脱したイーグルス。相次ぐ主力選手の離脱にもかかわらず6月は貯金生活。その要因は投手陣だ。そして僅差の試合を確実に制するだけのリリーフ陣がそろっている。中でも、今季抜群の安定感を見せているのが、ドミニカンエクスプレスのクルーズだ。
2015/06/21
粘りの投球をみせる投手陣
6月成績は10勝4敗。イーグルスの逆襲がじわりじわりと始まっている。主力選手の負傷離脱が相次ぎ、遂に主将・嶋まで前半戦絶望の左第七肋骨骨折。6月20日のロッテ戦ではチーム最多打点の藤田も走塁時に右足を痛めて負傷交代した。最大瞬間風速を記録する逆風の中、チームを支える逆襲のメインエンジンは、1にも2にも必死の奮投をみせる投手陣だ。
チーム防御率3.10はリーグ2位。交流戦防御率2.47は11球団を押しのけて1位。決して選手層に恵まれているわけではない。それでも投手陣全体が一致団結することにより、魂の好投を見せている。
象徴するゲームがあった。
リーグ戦再開の初戦、2-1で勝利した19日ロッテ戦だ。左背中痛で先発を回避した辛島の代役で戸村がスクランブル登板。難しい役どころながらも、持ち味のゴロを打たせる投球で5回1失点のゲームメイクをみせると、6回からは継投へ。青山、レイ、クルーズ、松井裕と1イニングずつつなぐゼロリレーで1点差勝利をモノにし、4月28日以来の勝率5割復帰を決めた一戦だ。
7回以降は交流戦打率12球団中2位を誇ったロッテ打線に攻め込まれ、毎回スコアリングポジションに走者を背負ったが、粘投でホームは踏ませない。中でもクルーズが登板した8回は4番・クルーズとの同名対決を制した後、2死2塁から連続死球で満塁のピンチ。一打同点どころか逆転の危機に立たされたが、自慢のファストボールで根元を封じ、見事に三振に取った。ちなみにこの試合は、投手陣が二桁安打を浴びながらも最少1失点に抑えた今季初のゲームになっている。
クルーズはドミニカ生まれの28歳右腕。来日2年目の今シーズンはNPBにも順応し、ブルペン陣をよく支えている。現在、イーグルス投手陣は9日DeNA戦から6回以降の終盤合計35イニングを僅か3失点に抑えている。
クルーズもこの間、終盤2点差以内のゲーム展開で5試合に登板し、合計5回を零封。5ホールドの活躍を見せ、チームの勝利に貢献してきた。