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主力離脱の逆風を追い風に イーグルスのブルペンを支える、ドミニカンエクスプレス

ついに正捕手も骨折で離脱したイーグルス。相次ぐ主力選手の離脱にもかかわらず6月は貯金生活。その要因は投手陣だ。そして僅差の試合を確実に制するだけのリリーフ陣がそろっている。中でも、今季抜群の安定感を見せているのが、ドミニカンエクスプレスのクルーズだ。

2015/06/21

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平均球速は下がったが投球内容は改善

 ちょうど1年前に来日した。
 シーズン途中からクリムゾンレッドに袖を通すと、リリーフで29試合に登板。2勝2敗9ホールド、防御率3.99、WHIP1.74。最速164キロの前評番どおり、ストレートは滅法速かった。7月23日西武戦の無死満塁で浅村三振時に最速159キロを計測。平均でも152.6キロをマークしたが、荒れ球による制球難がネックになり、6月11日ヤクルト戦では投手・石川に甘く入った154キロをヒットにされるなど、平凡な成績で終わった。

 しかし、2年目を迎えた今シーズンは上々、ここまで13試合12回2/3を投げて失点0、防御率0.00が続いている。
 好成績の原動力は、投球の90%近くを占めるファストボールだ。自慢のストレートが昨年と比べてうまく機能している点が、防御率0.00を生み出している。下記にストレートのデータをまとめてみた。(6月19日時点)

平均球速:昨年152.6km/h、今年150.8km/h
被打率:昨年.301、今年.077
空振り率:昨年8.4%、今年13.0% ※空振り数÷球数
打球に占めるゴロ+内野フライ率:昨年58.7%、昨年64.3%

 平均球速が下がったのは、むやみやたらの力任せの投球が減ったことによる影響だろう。スピードを抑え気味にしたことでストライクゾーンにボールが行くようになり、球威は増した。

 質の良い投球が増えたことで、被打率、空振り率は大きく改善。ストレートの空振り率は10%がひとつの目安とされており、10%を超えると空振りを奪取できる速球という位置づけになる。アウトになる確率が高いゴロ、内野フライも今年は多く打たせることができている。相手打者が、芯でしっかり捉えられていない何よりの証拠と言える。

 主力選手が怪我から復帰してくるまで、イーグルスは今後も投手力を全面に出したタフな戦いを続けていく。その中、NPBに順応し始めた2年目ドミニカンエクスプレスの存在は大きい。その好投から目が離せない。

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