心境著しい渡邉諒も……日ハム理想の守備を追うと大渋滞【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#115】
オフ恒例、知り合いのファンとの「持論会」では、ファイターズの今季について様々な意見が出た。ソフトバンクや西武の上へ行くにはどうすればいいのか――。
2019/11/24
今のままでは足りない
と、要するに「バッティングは良くなったけど、守備が……」という見解なのだ。そこを言われると僕もちょっと弱い。「練習すれば良くなる」と持論を主張したが、「守備範囲が狭い」「打撃優先のスタメン」とみんな点が辛い。まぁ、堅実な守備をしてくれれば僕は御の字なのだが、それじゃ中島卓也や石井一成のような軽やかなセンスを身に着けられるかといったらそれは難しいだろう。ファイターズは守備のレベルが落ちている。本当ならショート中島、セカンド石井が好ましい。じゃ、渡邉諒はどうかというと、これまでのファイターズの守備のレベルならサードが適任なのだ。いや、守備だけの話ね。
で、仮に「サードなべりょ」とした場合、困ったことに平沼も淺間も横尾も使えなくなる。もったいないのだ。今シーズン、チームは打てなかったから、打撃優先でオーダーを組む必要があったが、その一方で「ファイターズの守備のレベル」は下がってしまった。そこのところが難しい。
で、飲み会の話は脱線して「ファイターズの守備のレベル」というほうにどんどんスライドしていく。ファイターズの守備といえば「鉄壁の外野」が誇りだ。これまで新庄、稲葉、森本、糸井……、と俊足好守の外野手を輩出している。ファイターズの華は外野なのだ。と、「外野がつまらなくなった」という持論をぶち上げるヤツがいる。昔は外野がギラギラしてたけど、今はおとなしいという。
一つは大田泰示の野性味だ。彼は強肩でもっと凄味が見せられる選手なのだが、何かいつのまにか抑えてしまっている。それから「ゴールデングラブ賞の西川遥輝」だ。守備範囲の広さは誰しも認めるところだが、肩が弱い。そこが唯一の泣きどころで、ファイターズの歴代センターのなかではちょっと見劣りする。
さっきの「なべりょサード説」のような感じで、「本来なら遥輝はレフトでゴールデングラブを獲るべきだ」と持論を展開するヤツが出てきた。「ファイターズの守備のレベル」からすればそうなって然るべきだという。
だけど、そうなると「じゃ、センターは誰?」って問題と、もうひとつ「レフトで近藤も清宮も王柏融も使えなくなるじゃないか?」って問題が発生する。守備の理想を追うと、大渋滞が巻き起こるのだ。持論会は紛糾した。議論百出。
まぁ、飲み会の席の話だ。おそらく北海道の至るところでオフの間、こんな話が出ているだろう。そしてみんな、「ソフトバンクや西武の上へ行くにはどうしたらいいか」を前提にしている。今のままでは足りない。レベルアップする必要がある。そこにみんな気づいているのだ。
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