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ミスター超えなるか!? 柳田悠岐、山田哲人に期待が懸かるトリプルスリー【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、NPBで久々に30-30、トリプルスリー達成の期待がかかる選手についてまとめた。

2015/06/26

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ベースボールチャンネル編集部



MLB・NPBともに一握りしかいない30-30、トリプルスリー達成選手

 NPB各球団は試合数の50%程度を消化した。シーズンの折り返し点はオールスターゲームとされるが、ペナントレースはそろそろ中盤にさしかかろうとしている。

 今年は久しぶりにスケールの大きな記録が出るかもしれない。

 MLBでは、最高の野手は長打と俊足を兼ね備えた選手だとされる。その指標として30-30(サーティサーティ)というものがある。30本塁打、30盗塁を1シーズンに記録した選手のことだ。1901年以降2014年まで、MLBで30本塁打以上した選手は1200人ちょうど。このうち30-30を達成したのは60人だけだ(記録専門サイトfangraphs.による)。
 さらに、30-30に打率3割を加えたトリプルスリーと言う記録もある。MLBでは26人が記録している。数多いプロ野球選手の中でも、資質に恵まれた一握りの選手だけが実現可能な大記録だ。

 NPBでは過去に30-30は述べ13人、トリプルスリーは8人が記録している。達成順に並べてみよう。赤字はリーグ最高。

広尾様0626表1

 セパ両リーグが分立した1950年に別当薫、岩本義行と両リーグの初代優勝チームの主力打者が記録して以来、13人が名前を連ねている。1963年には張本勲が30-30を達成しているが、3割はクリアできなかった。張本は終身打率.319の安打製造機で、規定打席以上で3割をクリアできなかったのは20年間で4年しかない。蓑田浩二は80年、83年と2度、秋山幸二は87年、89年、90年と3度30-30を記録しているが、2人ともトリプルスリーは、1度だけしか記録していない。
 現役では井口資仁、松井稼頭央が記録している。

 大選手であっても、届かなかったケースがいくつもある。大選手の惜しかった例を見てみよう。

広尾様0626表2

 青バットで戦後野球界の大スターになった大下弘は盗塁が3つ届かず、じゃじゃ馬青田昇は盗塁が1つ足りなかった。長嶋茂雄はルーキーの年に本塁打が1本足りずにトリプルスリーを逃している。この年、長嶋はベースを踏み忘れた「幻のホームラン」が1本あり、これを含めれば、大記録達成となっていた。走攻守そろった名外野手山本浩二も、95年にキャリアハイの25本塁打を打ったイチローも届かなかった。

 30-30を達成した年齢を見ると20代後半が一番多い。まだ若さが残っていて脚力があり、ここにパワーが伴った時期と言えようか。

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