阪神・ボーア、オリックス・ジョーンズはなぜ日本球界に? 新助っ人の来日背景を探る
来シーズンに向けて各チームとも着々と戦力補強を進めている。そうした中で、来季も海を渡り日本球界へとやって来る外国人戦士たちがいる。そして、その中には思わぬ選手の名前も含まれている。彼らはなぜNPBを新天地に選択したのだろうか。それぞれのケースを探ってみたい。第1回は、阪神・ボーアと、オリックス・ジョーンズだ。
2019/12/26
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アダム・ジョーンズ(オリックス・バファローズ)
2019年度成績:137試合、打率.260、16本塁打、67打点(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)
MLB通算282本塁打、5度のオールスターゲーム選出、4度のゴールドグラブ受賞、2017年のWBC優勝メンバーという輝かしい実績は、過去の来日外国人プレーヤーの中でも最高レベルだ。
だが、来年には35歳となるジョーンズも徐々に衰えが現れてきたのも事実である。2008年から11シーズンに渡りプレーしてきたボルティモア・オリオールズでのラストイヤーとなったのが2018年シーズン。6年契約の最終年で年俸1733万ドル(約19億600万円)というチーム指折りの高給取りだったジョーンズは、打率.281,15本塁打,63打点とレギュラー奪取以降でも最悪といえる成績に。チームも年間115敗という不名誉な結果に終わり、再建に向けジョーンズはチームを去る形になった。
迎えた2019年、FA市場の鈍化のあおりを受け、3月になりようやくアリゾナ・ダイヤモンドバックスと単年300万ドル(約3億3000万円)で契約。残した成績も2018年並みとV字回復はならなかった。
そんな中で、オリックスからの2年契約,計800万ドル(約8億8000万円)+出来高250万ドル(約2億7500万円)というオファーが舞い込んだ。おそらく、今のジョーンズにここまでの投資をするMLB球団はないだろう。ジョーンズにとってこのオファーを蹴る理由はなかったはずだ。
今季のチーム打率、総得点数がリーグ最下位に終わったオリックスにとって打線強化は急務だった。チーム右打者の最多本塁打はステフェン・ロメロ外野手の18本。衰えは見られるが、ジョーンズの長打力は魅力的だ。主砲・吉田正尚外野手とのコンビが機能すれば相手にとって大きな脅威となるだろう。