巨人・パーラ、ヤクルト・エスコバーはなぜ日本球界に? 新助っ人の来日背景を探る
来シーズンに向けて各チームとも着々と戦力補強を進めている。そうした中で、来季も海を渡り日本球界へとやって来る外国人戦士たちがいる。そして、その中には思わぬ選手の名前も含まれている。彼らはなぜNPBを新天地に選択したのだろうか。それぞれのケースを探ってみたい。第2回は、巨人・パーラと、ヤクルト・エスコバーだ。
2019/12/27
Getty Images
ヘラルド・パーラ(読売ジャイアンツ)
2019年度成績:119試合、打率.234、9本塁打、48打点
30試合、打率.198、1本塁打、6打点(サンフランシスコ・ジャイアンツ)
89試合、打率.250、8本塁打、42打点(ワシントン・ナショナルズ)
登場曲『ベイビー・シャーク』と共に一躍時の人となり、ナショナルズ初のワールドシリーズ制覇に貢献したベネズエラ人外野手といえども、その地位は決して安泰と言えるものではなかった。
コロラド・ロッキーズ時代の2018年シーズンに年俸は1000万ドル(約11億円)まで上昇するも、インパクトのある結果を残せずにいたパーラ。今季は開幕直前まで所属チームが決まらず、ようやくジャイアンツとわずか10万ドル(約1100万円)というマイナー契約に至るという状況だった。何とかメジャー昇格はしたものの結果を残せずにジャイアンツからリリースされ、そして拾われたナショナルズでワールドチャンピオンを獲得するという波乱の一年だった。
本塁打全盛時代のMLBにおいて、キャリアハイが14本塁打(2015年)という左投左打・32歳の外野手のニーズはFA市場において人気銘柄でないことは、昨季オフの経験からパーラ自身も熟知していたことであろう。それもあってか、動きは早かった。12月9日(日本時間10日)~12日(同13日)のMLBウインターミーティングの開催を待つことなく、11月20日には巨人との契約が発表された。
推定年俸は150万ドル(約1億6500万円)という条件も、パーラを取り巻く状況を考慮すれば決して悪いものではないだろう。近年では数字こそ落ちてはいるが、メジャー通算1312安打、2度のゴールドグラブ受賞と実績は十分、そして王者ナショナルズのラッキーボーイという話題性もある。うまくフィットすれば巨人にとっては安い買い物となるだろう。
高橋康光
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