原巨人の象徴・山口鉄也 不調のセットアッパーの逆襲なるか
今季の巨人の不調、低迷する打線とは別に原政権を支えてきた不動のセットアッパー・山口鉄也の不調がある。
2015/06/28
不動の鉄腕にも勤続疲労の色
V4を目指す原巨人が苦戦している。
72試合消化時点で36勝36敗の勝率5割。
リーグ5位のチーム打率237と貧打に喘ぐ打線を、12球団トップのチーム防御率2.74を誇る投手陣がカバー。
27日のヤクルト戦(静岡)でも阿部のソロ本塁打の1得点のみだったが、先発マイコラスが今季2度目の完封勝利を飾り2位に踏み止まった。
チームがいまいち波に乗り切れない理由は、打線の問題だけではない。
ブルペンをど真ん中で支えてきた不動のセットアッパー山口鉄也の不調である。
7年連続60試合以上登板中の鉄腕は、今季28試合で2勝4敗14HP、防御率3.38。
まだペナントレースを半分近く残しながらも、年間4敗は自己ワースト。
1イニングあたりに許した走者数の目安となるWHIPも12年0.72、13年0.96、14年1.44、15年1.33と昨年から急激に悪化。
鉄腕も人間だ。昨秋には左肘に違和感を覚えPRP治療。
2007年からの9年間、通算529試合に投げまくってきた31歳にもさすがに勤続疲労が見て取れる。
3連覇中の巨人のストロングポイントは「打てるキャッチャー阿部慎之助」と「困った時の山口鉄也」だった。
例えば、巨人が五冠を達成した2012年シーズン。
阿部は打率340・27本塁打・104打点という捕手として圧倒的な数字を残し、首位打者・打点王・MVPを獲得。
そして山口は144試合のちょうど半数の72試合に登板すると、3勝2敗5セーブ、防御率0.84。
47ホールドポイントで最優秀中継ぎ投手賞を獲得、5年連続の60試合登板を達成した。
さらに中日とのクライマックスシリーズファイナルステージでは4試合に登板。
日本ハムとの日本シリーズでも3試合を投げ胴上げ投手。
しかも、真夏のオールスター第1戦でもマウンドに上がっている。
すべて合計するとちょうど「年間80試合登板」という鉄腕ぶり。
凄いを通り越して、怖い。タフすぎて怖い。
まさに巨人の栄光は、背番号47の左腕に支えられていた。