菊池、田中、梵、新井……勝負の夏に鯉が躍り出る 投手陣を支える鉄壁の内野陣
開幕こそつまずいたカープも、交流戦が明けて混セとなった今は一気に上位進出のチャンスが巡ってきた。今季は黒田やジョンソン、前田などの先発陣がクローズアップされがちだが、内野の守備にも注目してもらいたい。
2015/06/29
Getty Images
二遊間以外にも若きお手本となるベテランの存在
自慢の脚力だけには頼らない。判断力や集中力、研ぎ澄まされた野球脳も最大限に生かし、打球を追いかけている。
東海大相模高、東海大、JR東日本とアマチュア野球界の王道を歩んできた。それだけに、基本プレーの精度の高さは首脳陣からも高く評価されている。
そんな男が、ルーキーイヤーの経験のすべてを血肉化し、自らのステージを上げている。
「いろんな打球やプレーを見て、いろんな選手の打球方向や傾向が少しずつわかるようになってきました。試合に出続けることで、リズムなども得られるようになりました。そういった様々な要素があって、動きも良くなっていくのだと思います」
今や、菊池・田中の二遊間は球界屈指であることは疑いようがない。それだけではない。 サードには、基本に忠実なグラブさばきで「生きた教科書」(球団関係者)と称される34歳の梵英心が君臨する。35歳の木村昇吾の動きも、ますますハイレベルである。
そこに、8年ぶりに古巣に復帰した新井貴浩の存在がある。若き日は、内野守備に難もあったが、泥だらけの猛練習で安定した守備力を自分のものにした。38歳になった今も、「少しでもうまくなりたいし、なれると思う」と練習量と向上心は衰え知らず。体を張った守備でアウトを「もぎとる」スタイルもまた、若手の恰好のお手本になる。
若き二遊間の充実。ベテランが見せる、ボールへの執念とプレーの質の高さ。カープには、その全てが揃っている。
投手が苦しくなると言われる夏、鉄壁の守りが支える――混セの主役にカープが躍り出る可能性は、決して低くはない。
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