パ・リーグ“弱点ランキング”。オフに効果的な対処を行ったのはどの球団?【データで解く野球の真実】
プロ野球は2月1日にいよいよキャンプインを迎える。開幕が近づくのにあわせ、各球団の陣容もほぼ固まってきたように見える。今回は、各球団が昨季抱えていた弱点に対し、このオフにどのような動きを見せたかをおさらいし、評価していく。今回はパ・リーグ編だ。
2020/01/29
DELTA、Getty Images
弱点ポジションワースト6をチェック。日本ハムは三塁を外国人選手で補強
イラストは各ポジションのリーグ平均を0とした場合、それに比べ打撃・守備(投手の場合は投球)のはたらきでどれだけ差をつくったかを各球団のポジション別に示したものだ。セイバーメトリクスの手法を使い、各ポジションの成績を試合における得点の単位に換算している。-10であれば同ポジションのリーグ平均の選手に比べ、10点ほどチームの得失点差をマイナスにするはたらきだったと推定できる。
今回はこの得失点で最も大きなマイナスを生んでいた6つのポジションを対象に各球団の動きを見ていく。
○ワースト6位 日本ハムの三塁 -22.1
ワースト6位は日本ハムの三塁。三塁手のリーグ平均に比べ、打撃で-17.8点、守備で-4.3点と打撃が大きな弱点となった。ブランドン・レアードの退団を受け、近藤健介や淺間大基らの三塁コンバートを試みたが、レギュラーを確立できずにシーズンを終えてしまっている。
チームはこの弱点に対し、巨人を退団した外国人選手のクリスチャン・ビヤヌエバを獲得することで対処した。ビヤヌエバは昨季巨人で三塁手として起用されるも、レギュラーに定着できずに終わった選手だ。しかし日本ハムフロントは昨季以上の能力を引き出せると判断したのだろう。チームは長打力にも弱点を抱えているため、もしビヤヌエバのポテンシャルを引き出すことができれば戦力は格段に向上する。日本ハム躍進のカギを握る存在だ。
○ワースト5位 楽天の捕手 -24.5
チームはここ数年嶋基宏の成績低下、出場機会減少に伴い、若い世代の捕手を積極的に起用している。ただ昨季も正捕手は確立できず、嶋も退団となってしまった。チームは今オフ大補強を敢行したが、この捕手のポジションには手をつけられていない。
捕手は特殊なポジションであるため新外国人による補強が難しい。今オフはFA市場にも選手が出なかったため、補強したくても選択肢がなかったように見える。現有戦力の成長に賭けるしかない。優勝を狙うチームにとって致命傷になりうる状態のまま残ってしまった。