試合をつくれる実戦型投手が先発ローテに。ドラ1ルーキー河野がチームの浮沈を握る【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#122】
2020年、ファイターズの先発陣は有原が大黒柱となる。マルティネス、上沢もいるが故障明けなので無理はできない。そこで期待したいのがドラフト1位ルーキーの河野だ。
2020/03/08
有原を柱に、2020年先発の陣容は?
無観客試合のオープン戦が続いている。本稿執筆の3月6日は甲子園の阪神戦だった。先発有原航平は4回1/3投げて2失点、負けこそついたけれど、4回まではほぼ完ぺきなピッチングだった。ここまでの登板も順調に見える。3年ぶりの開幕投手に向けて文句ない調整ぶりと評したい。
まぁ、先発ローテに有原という柱があることで投手陣はグッとまとまりを見せる。やっぱりね、「開幕投手ロドリゲス」は(今だから言うけど)不安ありますよ。いちばんいい投手が開幕戦で投げて、以降、エースローテでまわる。相手だってエースローテだからタフな試合になるけど、その激突がプロ野球でしょ。有原航平はそのクラスの投手になった。ここまでは衆目一致ですよね。
で、それに続く格を持った投手がマルティネス、上沢直之だと思うけど、上沢はもちろん、マルティネスもちょっと時間がかかると見た。故障明けのシーズンは難しいのだ。ギターに例えればチューニングだなぁ。いったん弦がゆるんでしまっているから、調整に手間取る。身体が痛いか痛くないかの次元ではない。身体をベストチューニングにして、勝てるピッチングをしなければならない。ひょっとするとマルティネスは公式戦になったらいきなりエンジンがかかる可能性もあるけれど、上沢は交流戦を目標にするくらいでいい。無理は禁物。じっくり仕上げてほしい。
で、実績あるマルティネス、上沢の本格復帰がちょっと先になるという前提で話をする。これは去年のローテに近い。金子、加藤、杉浦、ロドリゲス…。このなかで光って見えるのは杉浦稔大だ。素晴らしい球威だ。肩の状態と相談しながらになるけれど、今シーズンは勝星を稼ぎそうに見える。
と見てきたところで今日の本題、今シーズンの上積み分だ。投手陣の新戦力でチームの浮沈を握る存在はズバリ、河野竜生とバーヘイゲンだと思う。2人ともオープン戦でメドが立った。投球のバリエーションを持っていて実戦向きだ。つまり、試合がつくれる印象だ。
投手は吉田輝星がわかりやすいけれど、若くて素材としては一級品だけど、まだバリエーションを持ってない存在もいる。その反対に自分のスタイルを持っていて、あぁ、こうやって打者を牛耳り、アウトを奪っていくんだなとわかるタイプもいる。素材型と実戦型。そこにあるのはフツーは「経験」の差だけど、若くても実戦型に分類したい選手もいる。僕から見ると柿木蓮はヤング実戦型の代表だ。