ショートの座を射止めるのは石井一成か? 開幕延期をめぐる人間ドラマ【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#123】
開幕延期となったプロ野球。選手は4月10日以降の開幕にあわせてコンディション調整に励む中、期間が延びたことで離脱している選手が復帰する可能性もあり、レギュラー争いにも大きな影響を及ぼす。
2020/03/21
コンディション調整の難しさ
新型コロナウイルス禍のプロ野球開幕延期は、ファイターズの本拠地・北海道の感染拡大を思えば納得するしかない。ようやく北海道知事が独自に出していた「非常事態宣言」が解除されたばかりだ。選手・関係者、そしてファンの安全を優先すべきなのは言うまでもない。しばらく「練習試合」の日程が続くけれど、CS放送やネット配信を見てガマンだ。これ、中継してもらえるのは本当にありがたいと思う。
オープン戦を見終えた段階で絶好調の選手、もうひとつ調子の上がらない選手の色分けができ、しかも開幕延期が決定していたからそこに悲喜こもごもの人間ドラマが垣間見えた。絶好調の筆頭は中田翔ではないか。今季はものすごく軽く、柔らかく振る。が、飛距離がグンと伸びる。メディア上も(本人のコメントから)「レベチ」と呼称するのが定着している。中田はすぐにでも開幕してほしいだろう。
他に好調な仕上がりを見せているのは渡邉諒。反対に調子が上がらない選手は大田泰示、近藤健介、ビヤヌエバという感じか。といって本当に3月20日、予定通り開幕したとして近藤健介が打てなかったかどうかは誰にもわからない。気持ちのスイッチが入るといきなり打つ選手もいるのだ。まぁ、開幕延長は本当にコンディション調整が難しいだろう。好調な選手はいったんトップフォームから落とすかもしれない。不調の選手が仕上がる時間がもらえたことになるが、どこを目標にするか目安がほしいところだ。
あと、ファイターズは投手だな。(故障明けの)マルティネスの調整が案外手間取っている。マルティネスはローテで回ってもらわなきゃ困る存在なので、時間がもらえるのは助かる。そして、究極はもちろん上沢直之だ。開幕には間に合わないと誰もが思っていた。うまく行って交流戦くらいに戦列復帰というイメージ。それが開幕延期でもしかしたら「不在期間」を短縮できるかもしれない。
という具合で(政治・経済のような大状況だけでなく)、ファイターズの現場的にもとても大きな意味を持つ新型コロナ禍であり、開幕延長なのだが、それがひとつのポジションに集約されてるなぁと思うのが、ショートストップ、遊撃手だ。