創成期はほとんどが支配下登録へ…ソフトバンク、育成ドラフト指名から支配下へと這い上がった選手達【第1回】
福岡ソフトバンクホークスの育成契約から1軍戦力に育て上げる手腕が高く評価されている。16日には尾形崇斗投手とリチャード内野手を支配下登録するなど、どんどん新しい芽が出てくる。過去に育成から支配下へ上がった選手の変遷を追い、ドラフト指名戦略や育成方針などを探る。全3回の第1回。
2020/03/20
育成創成期2005年~2009年まで
ソフトバンクが育成選手指名を始めた2005年から09年までの期間、育成指名され支配下選手登録を勝ち取った選手は、高卒の選手と独立リーグ出身の選手がそのほとんどを占めている。伸びしろが大きい反面リスクもある高卒選手と、当時は実力が未知数であった独立リーグ選手を、コストを抑えながら試していく場として機能した。
この期間の指名選手8人のうち7人が支配下選手となっており、かなりの高確率である。あるいは、創成期は本指名の延長である意味合いが強く、支配下登録となることを大前提として獲得していたとも考えられる。2006年に指名された小斉祐輔内野手と西山道隆投手はともに1年目の5月に支配下登録されており、2008年の5人指名につながったと言えるだろう。
また、特に成果を挙げたのは、高卒でプロ入りした二保旭投手。4年目のシーズンに支配下契約を勝ち取り、昨年までに95試合に登板、8勝5敗、防御率.3.99の成績を残しており、1軍の貴重な戦力となっている。また、現在は東京ヤクルトスワローズに活躍の場を移している山田大樹投手も高卒の選手だ。
この年代に育成指名をされた選手達が、ソフトバンクの育成選手制度の根幹を築いたと言えるではないだろうか。
(第2回につづく)