楽天・松井裕樹の先発転向、成功の鍵握る要素とは 「クローザー→先発」の現役選手から傾向を探る
2020/03/25
変化した球種配分
ここまで紹介した選手らは、クローザー時に投じていた球種と、先発転向後に投じた球種を比較すると、ある共通点が浮かび上がる。
それは、「カーブ」の投球割合が大きく増加していることだ。
全選手が共通してカーブを投じる割合が増加しており、増加傾向が低い選手でも前年度の倍以上の割合を記録している。
カーブが増加した要因としては、緩急の必要性と、カウント球としての活用が考えられる。1イニングを全力で抑えていく傾向が強いクローザーと違い、先発では長いイニングを投げることが求められる。2巡、3巡と回ってくる打者に対して、目を慣れさせないための緩急、狙いを絞らせないカウント球としてカーブが有効となってくるのだろう。
力のある速球と落ちる球で打者を抑え込んできたクローザーたちにとって、先発投手として必要なピースだったに違いない。
また、リリーフへと再転向した増井や藤川は現在、先発転向前よりもカーブを投じる割合は増加しており、先発の経験をうまく活かしてさらに投球の幅を広げている。
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