ソフトバンク中南米担当スカウトが語る優良助っ人獲得の舞台裏。地道に「自分自身の足で長い時間をかけて」
常勝軍団の福岡ソフトバンクホークス。その強さを支えているのが外国人選手のスカウティングにある。昨年は、ユリスベル・グラシアル内野手が日本シリーズMVPに輝く活躍をみせた。ほかにもスアレス、デスパイネらの獲得に尽力した萩原健太中南米担当スカウトに話を聞いた。(取材・文:高橋康光)
2020/04/02
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「求められるレベルが非常に高い」
4年連続の日本一を狙う福岡ソフトバンクホークス。攻守にスキのない陣容は今季も健在だが、中でも助っ人外国人選手の質量は12球団随一といえる。そのホークスが誇る最強助っ人獲得のキーパーソンとなるのが中南米担当スカウトの萩原健太氏だ。ドミニカ共和国に居を構え、中南米を忙しく動き回る萩原スカウトに今年もお話を伺うことができた。
これまでに萩原スカウトが獲得に携わった選手は、ジュリスベル・グラシアル内野手、アルフレド・デスパイネ外野手、リバン・モイネロ投手、ロベルト・スアレス投手(現阪神タイガース)、オスカー・コラス外野手(制限選手扱い)と、近年のソフトバンクの屋台骨を支えているプレーヤーたちだ。
「スカウトに就任して今年で6年目になります。就任後、毎年のように選手を獲得してきましたが、ここ2年は私自身のスカウティングによる選手獲得には至っていません。ただ、うちのチームの外国人の顔ぶれを見ればわかりますが、求められるレベルが非常に高いです。例えば、若手野手を育成で獲得するにしても、2、3年でデスパイネやグラシアルからポジションを奪えるポテンシャルがあるのだろうか、というのが一つの基準になるわけです。球団には定期的に有望な選手についてレポートで報告しています。
もちろんアメリカ本土にもスカウトはいますし、予算の問題などもありますから、私の推薦する選手だけが獲得されるわけでないのは当然のことだと理解しています。選手の獲得も嬉しいことですが、獲得に携わった選手が活躍してくれること、長く日本球界でプレーしてくれているのも非常に嬉しいことなんです。そういう意味では、昨シーズン、グラシアルが日本シリーズでMVPを獲ってくれたことは大きな喜びでした。球団も様々な観点から私の仕事を評価してくれるのでありがたく思っています」