「ホークスとの契約は全うした」MLB入りを目指すコラスが亡命の経緯を明かす
2020/04/18
今年1月にキューバから亡命。2月19日に制限選手扱いに
MLB入りを目指し、今年1月にキューバから亡命した、福岡ソフトバンクホークス制限選手のオスカー・コラス外野手。いまだにコラス、ホークス双方の意見が平行線を刻む中で、コラスが自身の思いを述べている。15日(日本時間16日)、キューバ野球情報サイト『スイング・コンプレート』がコラスのインタビューを掲載している。
インスタグラム上でのインタビューに応じたコラスは「私はホークスとの3年契約(2017、2018、2019年)にサインし、それが唯一の契約であり、私はその契約を全うした。そして、昨年12月にホークス側がキューバに来て、2020年の契約交渉を行ったが、金銭面で合意に達せずに終った。彼らは問題ないと言い、来日後に日本で交渉しようということになり、彼らは日本へ帰った。私はその時にキューバを出ようと思ったのだ」と契約交渉が不調に終わっていたことを明かしている。
そして「彼らが1月に再びキューバへ来たとき、私はもうキューバにいなかった。彼らはもちろん、誰も私が島を出て行ったことを知らなかった。自分一人で出発した。直接ドミニカ共和国に入ったのではなく、その前に別の場所に行っている。その後妻を呼び寄せることができた」とキューバを脱出する経緯を述べている。
3シーズンに渡る日本でのプレーについて「それぞれに違う年だった。1年目はアジャストするための年であり、いい年ではなかった。2年目にある程度結果を残し、3年目に一軍昇格できた」とコメントしている。
その一方で「いい状態だったにもかかわらず、一軍デビュー後ほどなく何の説明もなく二軍に落とされた。のちに説明はあったが、それは“一軍でプレーするためには、モイネロよりいいピッチングをし、デスパイネやグラシアルより打つことだ”というものだった。その時はショックを受けたし、ストレスも溜まった。そしてここを出て行きたいと思った」と自身の処遇への不満も語っている。
今後については「トレーニングを続け、いい契約を行うことが現在の目標だ。すでに複数のチームが私に興味を示してくれている。その中には、私がプレーしたいと思っている、ヒューストン・アストロズも含まれている」と述べている。
「すでにキューバを去っており、日本との間にいかなる義務もない」と主張するコラス。だが、昨年12月2日にNPBから発表された契約保留者名簿にはコラスの名前は記載されている。12月の交渉決裂でコラスは全てが終わったと解釈しているのだろうが、ソフトバンク側は到底納得できるものではないだろう。制限選手という状況の中で、コラス側はどのような動きに出るのだろうか。引き続き注目を集めそうだ。
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