ジョンソンの野球人生はいつも“足し算”。フォア・ザ・チームの合理主義者が日本で成功できた理由とは――カープ70年の歴史を支えた外国人選手
カープ戦実況歴20年、長年カープを見てきた中国放送(RCC)アナウンサー・坂上俊次氏の新刊『「育てて勝つ」はカープの流儀』からカープ外国人選手の全力プレーの歴史に迫った第8章「70年の歴史を支えた外国人選手」から一部抜粋で公開です。
2020/04/22
畝投手コーチが絶賛する適応力
もちろん、日本野球への順応性も特筆ものである。畝龍実投手コーチの見立てである。
「来日当初はクイックも速くなかったですが、すぐに良くなりました。シーズン中盤に、腕が横振りになってチェンジアップの質が落ちた時期がありましたが、こちらも修正してきました。変えていこう、適応していこうという気持ちが彼にはあります。そういう心構えだから(成功)できたのだと思います」
自分のスタイルに自信を持ちながらも、適応することには躊躇がない。力で押すだけでもなければ、かわしていく空気もない。三振も奪うが、打たせて取ることにも重きを置く。変化を厭わないジョンソンは変幻自在である。
「あえてこだわるならイニング数です。イニング数が増えるということは、長いイニングを投げて試合を作ることができているということです。勝ち星より、まずはイニングです」
フォア・ザ・チームの合理主義者は5年間で752イニング以上のマウンドに立った。メジャーデビューを渇望する時間、独立リーグで自分を見つめなおす時間、新天地に適応する時間、これらを合理的に足し算できたことが、成功の要因であった。
坂上俊次(さかうえ しゅんじ)
中国放送(RCC)アナウンサー。1975年12月21日生まれ。兵庫県伊丹市出身。1999年に株式会社中国放送へ入社し、カープ戦実況歴は20年になる。スポーツ中継のほかに、ラジオ「それ聴け Veryカープ」、テレビ「Eタウンスポーツ」などを担当。また、中国地方をスポーツ関連産業で盛り上げるためのプロジェクト「ちゅうごく5県プロスポーツネットワーク(スポコラファイブ)」の座長を務める。著書に『カープ魂 33の人生訓』『惚れる力』、(サンフィールド)、『優勝請負人』(本分社)、『優勝請負人2』(本分社)があり、『優勝請負人』は、第5回広島本大賞を受賞。現在「デイリースポーツ広島版」「広島アスリートマガジン」で連載を持っている。
【内容紹介】
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