セ界なら首位争いのロッテに立ちはだかる貯金「2」の壁。突破のカギは、デウン&藤岡にあり【ほぼ週刊マリーンズ#5】
ほぼノーガードの戦いを余儀なくされながらも、何とか勝率5割付近で踏みとどまっているマリーンズ。今回のテーマは、そんなチームがまるで図ったかのようにそこで足踏みをすることになっている貯金「2」の壁について。そそり立つ、その壁さえ乗り越えることができれば、クライマックスシリーズ争いもまだまだ勝機はきっとある!!
2015/07/07
配置転換が奏功して、崩壊寸前の投手陣には光明も
とは言え、そんなマリーンズにも明るい兆しがないわけではもちろんない。
一時はあれほど目も当てられなかった投手陣の崩壊ぶりが、ここへ来て、ずいぶんと持ちなおし、交流戦明けのチーム防御率は3.42と大幅に改善。カルロス・ロサの降格以降、定まっていなかった大谷智久、西野勇士へとつなぐ“方程式”が、なんとか形になりつつあるからだ。
とりわけ、先発で結果を残せず、中継ぎへと配置転換されたイ・デウンと藤岡貴裕のふたりが、思いのほか結果を残しているのは、ファンにとってもうれしい誤算。
素晴らしい速球を持ちながらも、サインに首を振りまくって結果打たれる……というパターンの多かったデウンは、“デ運”と渾名されるほどの驚異的な勝ち運はそのままに、ここ12試合で8試合に投げて、1勝2ホールドの防御率0.87(通算4.31。勝ち星はチームトップタイの7勝!)と、頼もしい限りだし、先発では炎上に次ぐ炎上を見せて、“熱く燃えて”いた藤岡も、同じく7試合に投げて、4ホールド。いまだ0.00(同6.33)と、これまた抜群の安定感。
このふたりが左右の両輪として今後も失点を最小限に食いとめる“火消し”の役割に徹してくれれば、目下の課題である打線の“水もの”ぶりも、あるいはリカバーできるに違いない。
とにもかくにも、最大の山場はオールスター明けのビジター6連戦。
ここをどうにかこうにか5割前後で乗りきることができれば、真夏に差しかかる頃にはリハビリ中の荻野貴司が戻って、打線も復調。そこにデスパイネが帰還となれば、貯金「2」の壁の突破どころか、おなじみ“秋ロッテ”の発動も、にわかに現実味を帯びてくる──。