NPB歴代の首位打者は? 「打率」は試合数も大きく左右、4割打者の登場なるか<1970年代>【プロ野球史を振り返る】
2020/05/21
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1970
セ 王貞治(読売ジャイアンツ)
打率.325(129試合425打数138安打)
パ 張本勲(東映フライヤーズ)
打率.383(125試合459打数176安打)
セは、王が3年連続3度目の首位打者に輝いた。また、打撃タイトルは本塁打との二冠でMVPも獲得したが、打点のタイトルを3年連続で長嶋に譲り、三冠王未遂となっている。打率3割超はリーグ唯一で(2位は安藤統夫の.294)その傑出ぶりがうかがえる。パの張本は5度目の首位打者。打率.3834は、バース、イチロー(2季)に次いで歴代4位の数字となっている。
1971
セ 長嶋茂雄(読売ジャイアンツ)
打率.320(130試合485打数155安打)
パ 江藤慎一(ロッテ・オリオンズ)
打率.337(114試合389打数131安打)
セは、長嶋が自身6度目となる首位打者。2位の衣笠祥雄(.285)と大きく差をつけてのタイトルとなった。また、この年は王が本塁打と打点の二冠であり、またも王の三冠王を阻止した恰好となる。パは、江藤が3度目のリーディングヒッターに。打率10傑が全員3割超えと、リーグ間で対照的な結果となった。
1972
セ 若松勉(ヤクルトアトムズ)
打率.329(115試合365打数120安打)
パ 張本勲(東映フライヤーズ)
打率.358(127試合472打数169安打)
ON(王・長嶋)全盛の巨人V9時代に、打撃主要3部門のタイトルに名を連ねた3人目の選手が「ミスタースワローズ」若松だ。江藤、中に続いて首位打者となった。つまりこの期間、本塁打と打点はノーチャンスだったと言える。パは、張本が6度目の首位打者となった。
1973
セ 王貞治(読売ジャイアンツ)
打率.355(130試合428打数152安打)
パ 加藤秀司(阪急ブレーブス)
打率.337(118試合436打数147安打)
王貞治がついに三冠王を獲得したV9最終年。2位(.313)以下を大きく引き離す打率.355で圧倒的な打棒を誇った。パは、加藤が初の首位打者となりブレーブス打線を牽引。チーム打率は.270と強力打線を形成した。
1974
セ 王貞治(読売ジャイアンツ)
打率.332(130試合385打数128安打)
パ 張本勲(日本ハム・ファイターズ)
打率.340(120試合406打数138安打)
王が2年連続の三冠王に輝いた1974年。リーグMVPにも輝いたが、チームは10年ぶりに首位陥落となった。また、1970年以降3割打者が毎年2人以下と打低のシーズンが続いていたが、この年は7人の3割打者を輩出した。パは、張本が7度目の首位打者となったが、チームは最下位に低迷した。