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秋山は1104日ぶりの勝利はならずも、満塁から勝利を拾ったタイガース

9日、甲子園球場で阪神対中日が行われ、阪神が延長11回、中日・桂のサヨナラ捕逸で勝利し、今季7度目のサヨナラ勝ちを収めた。連敗を2で止め勝率5割に復帰。首位巨人と0.5ゲーム差に迫った。

2015/07/10

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昨年のウエスタン最多勝投手の意地

 阪神は2回と3回、中日は8回、10回と両チームとも満塁からことごとく得点が入らなかったことがゲームを決めきれず、終盤にもつれ延長突入の原因になった。

阪神の24歳、秋山が髪を短く刈りこんで気合を入れて今シーズン初登板発先発のマウンドに上がった。

高卒ルーキーの年に完封を含む4勝を挙げた。順調に伸びて右の本格派エースにと期待されていたが、伸び悩んだ6年目。12年6月以来3年ぶりの勝利と連敗ストップを託された。

 高めのストレートに球威があるか。1年目に効果的だったカーブが今も使える球種か。そこがカギだった。

 初回と4回、3番・平田に安打されたが、ルナ、ナニータの外国人をそのカーブでタイミングを外して打ち取って、中盤のゲームの主導権を握りゲームを作ることができた。

 勝利投手の権利を得ての6回。投球数67球以上に、初登板の疲れが見えて、球威も落ち、フォームのバランスも崩れていた。無死から代打の亀沢にヒット、遠藤に四球。バントで送られた1死二、三塁から平田に粘られた後の内角低めをレフト前にはじき返された。同点に追いつかれ、1104日ぶりの勝利はならなかった。平田に猛打賞を喫した攻め方に一考が欲しかったか。

「追い込んでからの(遠藤への)四球が悔やまれます。リードを保って後ろにつなげたかった」と反省の言葉を残した秋山。6回を投げて被安打5、2失点と先発の責任は果たした。ローテーションに入ってくれそうな、そんな期待を抱かせる内容だった。

 また鳥谷は通算1695安打。藤村富美男氏を抜いて、チーム通算安打の記録になった。

 連勝中の中日は谷繁監督がマスクをかぶり、若い小熊をリードした。小熊も高卒でプロ入り7年目。小熊にとっても今後の立ち位置を占うようなマウンド。2、3回は満塁をしのいだが、甘いスライダーをレフトスタンド中段に運ばれた5回のゴメスのソロホームランが痛かった。

 今シーズン7回目、阪神のサヨナラの場面は延長11回。抑えの福谷から、上本が四球で出塁するとバントで二進。福谷のワイルドピッチとその後の2四球で1死満塁。マートンの初球、キャッチャーの桂が痛恨のパスボールに。福谷のボールが荒れていて、インコースのストレートを後ろにそらしてしまった。この回、谷繁から交代していた桂。運がなかったかもしれない。最後の最後、鬼門だった満塁から笑ったのは阪神だった。



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