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七夕の夜 江村直也のプレーに感じた「野球のコク」【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#7】

7月7日、断続的な雨が降り続く中、QVCマリンフィールドでファイターズ対マリーンズ戦は行われた。結果6-3でファイターズが勝利したが、勝利に結びつかずも「野球のコク」を感じるプレーがあった。

2015/07/11

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『プロ野球珍プレー好プレー』世代にたまらないシーン

 でも僕がこの日、あぁ、自分はプロ野球を見てるなぁとしみじみしたのは、ファイターズの得点シーンではなかった。ひいきチームが活躍するシーンはそりゃうれしいんだけど、なんというのかな、思い出に後々までずっと残る「野球のコク」みたいな部分はまた別のところだったりする。この日はむしろロッテの得点にからむシーンだ。
 
 7回裏、上沢は先頭打者・今江にこの試合初めての四球を与える。が、そこから持ち直して2死ランナー1塁にこぎ着ける。打席は8番・江村直也。スタメン捕手・吉田裕太に代わってマスクをかぶった、一昨日、1軍に上がったばかりの選手。2死でもあるし、フツーに考えれば「安パイ」だ。
 
 そしたら江村が良かったんだよ。2ボール1ストライクから上沢が投じたゆるーいカーブが抜けた。江村のヘルメットをかすったんだ。もう、ヘルメットを脱いで主審に見せてた。『プロ野球珍プレー好プレー』世代には、みのもんたさんのナレーションが聴こえるようだった。「あ、痛たたた、当たった当たった、ここ、当たりましたよん」。もちろん達川光男氏の(よけない)死球ネタだ。
 
 江村の何とかしてつなぎたい気持ちもよかった。そしてひょうきんな風貌もよかった。ゆるーい死球をぶつけた上沢がちょっと笑ってしまっていた。歩いた先の1塁では大阪桐蔭の先輩、中田翔にグラブではたかれる。
 
 でも、そのつなぎが代打・井口資仁の2点タイムリー3塁打を呼ぶんだなぁ。といって得点はその時点で5対3。結局、ファイターズは追加点をモノにし6対3で勝利するから、江村のつなぎは大勢には影響なかった。
 
 でもね、あれが「野球のコク」だよ。うれしそうにヘルメットを脱いで見せた江村の姿。やっぱり球場で見たかったと思ったのだ。
 
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