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藤浪晋太郎、セリーグ11年ぶりの日本人200奪三振なるか ヒートする奪三振王争い【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、パワーピッチャーの一つの基準となる奪三振王についてだ。

2015/07/10

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200奪三振から見えるセ・パの差

 意外なようだが、「最多奪三振(奪三振王)」というタイトルは昭和の時代にはなかった。セは1989年、パは1991年からリーグの表彰項目になった。
 1968年、江夏豊のNPB記録、401奪三振は連盟表彰されなかったのだ。

 しかし大エースが三振をバッタバッタと奪うのはまさに“野球の華”。野球の歴史はその時代の奪三振王の歴史でもあったのだ。

 過去15年のセ・パ両リーグの奪三振王を振り返ってみよう。SO9は、9回完投するとして奪う三振の数。9.00を超すとイニング1個以上の三振を奪うことになる。パワーピッチャーの一つの基準だ。200奪三振以上とSO9が9.00以上を赤字で、またリーグで200奪三振した投手数を右端に示した。

広尾様0710表1

 セ・パで赤字の数に大きな差があることがわかる。
 セでは、この15年間で200奪三振を記録した投手は4人だけ。日本人投手では2004年の阪神の井川慶以来200奪三振投手は出ていない。当然、リーグでの200奪三振投手も4人だけだ。
 パは、この15年間の奪三振王のうち、11人が200奪三振を達成している。リーグでの200奪三振投手は15人に上る。
 パワーピッチャーの数は、パが圧倒的に多い。2005年から始まった交流戦のトータルの勝敗で、パは10勝1敗とセを圧倒している。その一因として投手力の差が指摘されるが、この表はそれを端的に表しているのかもしれない。

 原則として、シーズン奪三振数200は、2つの条件が揃わないとクリアできない。

①シーズン投球回数200回以上
②SO9が、9.00以上

 シーズン通じてローテーションを維持するスタミナ、安定感と多くの三振を奪うことができる球速、球威、球のキレを持たないと200奪三振は不可能なのだ。

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