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藤浪晋太郎、セリーグ11年ぶりの日本人200奪三振なるか ヒートする奪三振王争い【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、パワーピッチャーの一つの基準となる奪三振王についてだ。

2015/07/10

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阪神・藤浪が快挙達成なるか

 今季の昨日までの奪三振王レースについて見ていこう。

 パリーグのランキングからだ。規定投球回数以上。右端に試合数から割り出した最終の奪三振数を予測し、SO9が9.00以上と200奪三振以上を赤字にした。

広尾様0710表2

 楽天の則本昂大と日本ハムの大谷翔平が奪三振数2差で競り合っている。則本はパリーグで唯一100イニングを消化している。SO9も9を越し、最終的には202奪三振になると予測できる。大谷は二刀流のため登板数がやや少なく、投球回数も少ない。しかしSO9は驚異的な11.15。2011年にチームの先輩、ダルビッシュ有が記録した10.71を大きく上回っている。この年のダルビッシュは球史に残る快投だったが、それをも上回っているのだ。大谷は今後も登板数、投球回数は伸びないが、抜群の奪三振率で則本を上回る可能性がある。二人のデッドヒートから目を離せない。

 続いてセリーグのランキングだ。規定投球回数以上。

広尾様0710表3

 藤浪晋太郎は現在、セ・パ通じて最多の115奪三振。SO9も9を大きく超えており、最終的には208奪三振に達する見込みで、セリーグでは11年ぶりとなる日本人投手の200奪三振越えの可能性が大なのだ。同期のライバル、大谷との奪三振数争いも注目だ。藤浪は、リーグ2位の1751球を投げている(1位は中日、大野雄大の1891球)。このままいくと投球数は、先発投手のリミットと言われる3000球を超す。故障のリスクも高まるが、何とかクリアしてほしい。

 セ・パの奪三振ランキングを比べると、パが20代前半の若い選手が上位に並んでいるのに対し、セは20代後半、30代の選手が上位にいる。パの規定投球回数以上の投手の平均年齢は27.7歳、セは30.4歳。パが先発投手の新陳代謝が進み、若い投手がどんどん活躍しているのに対し、セはベテランがまだ主戦投手でいる。
 杉内俊哉ようにパリーグで実績を積んでFA移籍した選手もいるからだが、この高年齢化がセ・パの投手陣の格差につながっているのではないか。

 セリーグの投手陣の底上げは、藤浪に続く活きの良い若手がどれだけ出てくるかにかかっている。
 そういうことも含めて、セ・パの奪三振王争いを注目していきたい。

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