セイバーメトリクスの視点で過去の打撃ベスト10を振り返ろう ~1951年編~
2020/05/31
Getty Images, DELTA・道作
本企画はNPB過去年度の打撃ベスト10を眺め、往事の野球を今の視点から振り返り楽しんでもらおうというものだ。ただベスト10は従来の打率ではなく、セイバーメトリクスにおける総合打撃指標wRAA(※1)を採用する。これはリーグ平均レベルの打者が同じ打席をこなした場合に比べ、その打者がどれだけチームの得点を増やしたかを推定する指標だ。この視点で振り返ることで、実は過小評価されていた打者がわかるということもあるかもしれない。
1951年は日米野球開催のため、セ・パ両リーグともに10月初旬で日程打ち切りの変則開催となった。そのため、前年より試合数が少ない上に各球団不揃いの消化試合数となっている。少ないところではシーズン100試合未満になるチームもあった。
試合数の減少は当然ながら打席数=サンプルサイズの減少につながり、サンプルサイズの減少は、良くも悪くも平均から大きく外れた結果を生みやすくなる。これらによりセ・パ両リーグともに上下に突き抜けたスタッツが目立つこととなった。この年、両リーグともでマークされた最高打率新記録による首位打者は現代でも最上位近辺に残るスタッツである。