NPB歴代の首位打者は? 「打率」は試合数も大きく左右、4割打者の登場なるか<1990年代>【プロ野球史を振り返る】
2020/06/10
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1990
セ J. パチョレック(横浜大洋ホエールズ)
打率.326(133試合527打数172安打)
パ 西村徳文(ロッテ・オリオンズ)
打率.338(117試合438打数148安打)
セは、来日3年目でパチョレックが初の首位打者に。1年目(打率.332、2位)、2年目(打率.333、2位)と、ハイアベレージを残しながらもタイトルに届かずにいた。なお同年のセ・リーグは本塁打、打点と落合博満が占めており、健在ぶりを見せつけている。パは、現オリックス監督の西村徳文が2位大石第二郎(翌年から大石大二郎)の.314を大きく引き離してリーディングヒッターとなった。同年のパは、西武のデストラーデが本塁打、打点の二冠を達成している。
1991
セ 古田敦也(ヤクルトスワローズ)
打率.340(128試合412打数140安打)
パ 平井光親(ロッテ・オリオンズ)
打率.314(110試合353打数111安打)
セは、眼鏡の捕手・古田敦也が首位打者に輝いた。2位の落合とは0厘3毛差と、ぎりぎり逃げ切った形だ。パの平井も僅差。2位の松永浩美と0厘4毛差で初のタイトルをもぎ取った。また、同年もデストラーデは本塁打、打点の二冠を獲得している。
1992
セ J. ハウエル(ヤクルトスワローズ)
打率.331(113試合387打数128安打)
パ 佐々木誠(福岡ダイエーホークス)
打率.322(126試合509打数164安打)
セは、来日1年目のハウエルが、首位打者と本塁打王(38本)の二冠に輝き、リーグMVPを獲得。古田(打率.316、30本塁打、86打点)とともにチームの優勝に大きく貢献した。パは、ダイエーの佐々木誠が164安打を放ちトップに。同年のパ・リーグは3割打者が佐々木を含めて3人で、2位が規定打席ちょうどのトーベ(.305)、3位が田辺徳雄(.302)であることを考えると、傑出した数字だったと言えるだろう。
1993
セ T. オマリー(阪神タイガース)
打率.329(125試合434打数143安打)
パ 辻発彦(西武ライオンズ)
打率.319(110試合429打数137安打)
セは、阪神のオマリーが来日3年目で初の首位打者。同年のセ・リーグ打率10傑のうち、2位ローズ、3位パウエル、7位ハドラー、8位ハウエルと5人が助っ人選手だった。パは、現西武監督の辻発彦がリーディングヒッターとなり、チームの優勝に貢献した。
1994
セ A. パウエル(中日ドラゴンズ)
打率.324(110試合423打数137安打)
パ イチロー(オリックス・ブルーウェーブ)
打率.385(130試合546打数210安打)
1994年、パ・リーグの新星イチローが登場する。イチローは、歴代3位の打率.385をマーク。2位のカズ山本が打率.317であることからも、その圧倒的な数字が際立つ。さらに、NPB史上初となる200安打をクリアし、「最多安打」のタイトルが新たに制定された。セは中日のパウエルが初の首位打者に輝いた。