NPB歴代の首位打者は? 「打率」は試合数も大きく左右、4割打者の登場なるか<1990年代>【プロ野球史を振り返る】
2020/06/10
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1995
セ A. パウエル(中日ドラゴンズ)
打率.355(101試合389打数138安打)
パ イチロー(オリックス・ブルーウェーブ)
打率.342(130試合524打数179安打)
この年のイチローは、またも別格の数字を残した。阪神大震災直後のシーズンで「がんばろう KOBE」を合言葉に挑んだチームを牽引。野手タイトルを総なめにする勢いで、打者五冠を達成。唯一届かなかった本塁打王のタイトルも1位の小久保裕紀と3本差であった。チームは2位ロッテに12ゲーム差をつけ優勝を果たしている。また、全試合フルイニング出場での首位打者は1969年の王貞治以来史上2人目のことだった。セのパウエルは、2位のローズ(.315)と大差をつけて2年連続の首位打者に輝いている。
1996
セ A. パウエル(中日ドラゴンズ)
打率.340(130試合518打数176安打)
パ イチロー(オリックス・ブルーウェーブ)
打率.356(130試合542打数193安打)
セ・パともに3年連続で同じ顔触れとなった首位打者。イチローは3年連続のMVPに輝くなど、球界でも抜きんでた存在となっている。パウエルも自身初となる全試合出場を果たしたうえで首位打者を獲得。セの2位はヤクルトに移籍して成績をV字回復(打率.238→.333)させた辻発彦だった。またこの年、松井秀喜が自身初のシーズンMVPを獲得している。
1997
セ 鈴木尚典(横浜ベイスターズ)
打率.335(125試合478打数160安打)
パ イチロー(オリックス・ブルーウェーブ)
打率.345(135試合536打数185安打)
セは6年目の鈴木尚典が初の首位打者に輝き、ローズ、石井琢朗、駒田徳広らとともに横浜の強力打線を率いた。パはイチローが4年連続の打率、安打数トップ。リーグ10傑が全員3割を超えるなど、また打高の兆しが見て取れる。
1998
セ 鈴木尚典(横浜ベイスターズ)
打率.337(131試合514打数173安打)
パ イチロー(オリックス・ブルーウェーブ)
打率.358(135試合506打数181安打)
2019年終了時点で、横浜がリーグ優勝、日本一を成し遂げた最後のシーズン。首位打者には2年連続で鈴木尚典が輝いた。また、本塁打、打点のタイトルを松井秀喜が初めて獲得したシーズンでもある。パは、5年連続首位打者のイチローに加え、3割40盗塁をクリアし自身初のMVPに輝いた松井稼頭央も存在感を示した。
1999
セ R. ローズ(横浜ベイスターズ)
打率.369(134試合521打数192安打)
パ イチロー(オリックス・ブルーウェーブ)
打率.343(103試合411打数141安打)
セは、ロバート・ローズが歴代13位の打率.3685に加え、153打点をたたき出した。134試合で192安打をマークしており、試合数が多いシーズンであれば200安打到達の可能性もあっただろう。パはイチローが6年連続の首位打者。打率ランキングに目をやると、8~10位が大接戦で、プリアムが.2802で8位、諸積兼司が.28009で9位、小坂誠が.28008で10位となっていた。
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