NPB歴代の首位打者は? 「打率」は試合数も大きく左右、4割打者の登場なるか<2000年代>【プロ野球史を振り返る】
2020/06/17
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2005
セ 青木宣親(ヤクルトスワローズ)
打率.344(144試合588打数202安打)
パ 和田一浩(西武ライオンズ)
打率.322(129試合475打数153安打)
セは、安打製造機の青木宣親が登場する。大卒2年目にして、イチロー以来となる200安打を達成。一方で、37四球、113三振と課題も多かった。対してパは、33歳の和田一浩が初の首位打者に。捕手から外野手に転向した2002年以降規定3割をクリアし続けていたが、ここでようやくトップに立った。超新星と苦労人が、ともに非凡な打撃技術を見せつける年となった。
2006
セ 福留孝介(中日ドラゴンズ)
打率.351(130試合496打数174安打)
パ 松中信彦(福岡ソフトバンクホークス)
打率.324(131試合447打数145安打)
セは、福留が圧倒的な高打率で2位の李承燁(.323)を大きく引き離してリーディングヒッターに。「3割30本100打点」をクリアし、二塁打も当時のリーグ記録となる47本をマーク。OPS1.091で、シーズンMVPにも輝いた。パの松中は、三冠王を獲得した2004年以来の首位打者で、自身のキャリアで最後の規定3割となる。
2007
セ 青木宣親(東京ヤクルトスワローズ)
打率.346(143試合557打数193安打)
パ 稲葉篤紀(北海道日本ハムファイターズ)
打率.334(137試合527打数176安打)
青木が自身2度目の首位打者に輝いた。初受賞の年と比較すると、打率自体の大きな変化はないものの(.344→.346)、内容は大きく変化。本塁打が3本から20本に、四球37個から80個に、三振が113個から66個と大きくパフォーマンスを向上させた。また同年は、チームメイトのラミレス(.343)とともに打線を牽引。チームは最下位に沈んだものの、個人成績では3位以下(3位の谷佳知が.318)を大きく引き離した。パは、現日本代表監督・稲葉篤紀が初の首位打者に輝いた。
2008
セ 内川聖一(横浜ベイスターズ)
打率.378(135試合500打数189安打)
パ リック(東北楽天ゴールデンイーグルス)
打率.332(134試合491打数163安打)
セは、卓越した打撃技術を誇る内川聖一が右打者ではプロ野球史上最高の.378をマーク。全体でも歴代7位に位置する。チーム防御率最下位の横浜(防御率4.74、5位広島が3.78)に在籍しての数字という意味でもシーズンにおける傑出度は圧倒的ではないだろうか。パは、リックが楽天球団創設以降初の首位打者に輝いた。
2009
セ A. ラミレス(読売ジャイアンツ)
打率.322(144試合577打数186安打)
パ 鉄平(東北楽天ゴールデンイーグルス)
打率.327(132試合496打数162安打)
セは、巨人ラミレスが「3割30本100打点」をクリアし、初の首位打者。自身2度目となるリーグMVPにも輝いた。パは、鉄平が初受賞。楽天からは、2年連続の首位打者が誕生した。しかし、日本ハムは2007年稲葉以来、楽天はこの鉄平以来、首位打者を輩出できていない。
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