自己最遅速のカーブで最大59キロの緩急差 則本昂大、「3年目の進化」の“兆し”
3年目を迎えた楽天のエース・則本昂大。開幕から苦しんできたが、夏場に来て進化の兆しを見せ始めた。キーワードは『緩急』だ。
2015/07/12
開幕から苦しんだ楽天のエース
「沢村賞の項目をすべてクリアして、周囲から真のエースと呼ばれるようになりたい」
年初に今年の抱負を表明した楽天の則本昂大。
新人王に輝いた1年目はチームの初Vに大きく貢献。2年目は最多奪三振のタイトルを獲得。ホップ、ステップで迎えた3年目の今シーズン、高い目標を掲げて臨んでいるものの、今ひとつ波に乗ることができずにいる。
11日の成績は15試合、106回1/3、防御率3.30、5勝7敗、勝率.417、奪三振109。
沢村賞選考基準は登板数、完投数、勝利数、勝率、投球回、奪三振数、防御率で構成される。この中で達成見込みは25試合以上の登板数と、200回以上の投球回、150個以上の奪三振数の3項目。完投数、勝利数、勝率、防御率では出遅れている。
キャンプで新たな投球フォームを模索し、高速シンカー習得に着手するなどの取り組みを行うも、下半身の張りの影響でオープン戦はスロー調整。このことが影響したのだろう。開幕直後ピッチングの軸球になるストレートの球速がなかなか上がらなかった。3・4月の平均球速は142.6キロ。昨年は145.4キロだったことを考えると約3キロ減で、このことが球威にもつながり、打たれるケースが多かった。
真っすぐが活きなければ変化球も映えず、則本の代名詞と言える完投・完封も少なく、ファンも「3年目の進化」を体感できずにいた。
しかし、ここへきて「3年目の進化」の“兆し”と言えそうなピッチングを見せ始めている。キーワードは「緩急」だ。