猛虎復活の希望。阪神の2010年ダイナマイト打線は抜け目ない破壊力――プロ野球最強打線を振り返る
2020/07/02
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チーム打率.290の2010年ダイナマイト打線
今季も貧打にあえぎ、開幕11戦で2勝9敗と苦しんでいる阪神。ここ数年は、打撃力向上へ目指して補強・育成を進めているが、高齢なレギュラー陣、若手のレギュラー定着、優良助っ人外国人選手の獲得など課題は山積みだ。
そんな阪神にも、強打で鳴らしたシーズンが何度もある。1946年にチーム打率.288を記録して「ダイナマイト打線」と命名されて以来、強力打線が形成される度にこの名称で呼ばれている。バース、岡田、掛布の「バックスクリーン三連発」が印象的な1985年の「ニューダイナマイト打線」をはじめとし、リーグ優勝した2003年などもこの名称が使われた。
そして、阪神の歴史において直近に「ダイナマイト打線」と呼ばれたのが、10年前の2010年である。
1番に、当時イチローのシーズン最多安打記録である210安打を更新し、打率.349を誇った新助っ人マット・マートン。2番には打率.350のハイアベレージに加え、軽快な守備とガッツあふれるヘッドスライディングが代名詞だった平野恵一が続く。
クリーンアップには、遊撃手歴代1位の104打点をたたき出した鳥谷敬、112打点の新井貴浩、117打点のクレイグ・ブラゼルと100打点トリオが並ぶ。ブラゼルは、助っ人としてバース以来となる40本塁打をクリアし、最終的には47本にまで達した。
6番には、キャリア晩年ながら勝負強い金本知憲。7番はメジャー帰りの城島健司が、捕手を守りながら打率.303、28本塁打、91打点をマークした。ほかにも、桜井広大のほか、浅井良や林威助、関本賢太郎らが、日替わりで打線に組み込まれた。
チーム打率.290(チーム打率2位のヤクルトが.268)、173本塁打、718打点を誇った2010年のダイナマイト打線。ペナントレースでは2位に終わったものの、猛虎の名にふさわしい強力打線を印象付けた。今季鳥谷がロッテに移籍し、この打線は完全に解散したが、ファンは猛虎復活を心待ちにしているはずだ。阪神は、再び強力打線を取り戻すことができるだろうか。
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