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横浜DeNAベイスターズ、横浜という街とファンとともに着実に歩みつづけた3年間

今季、クライマックスシリーズを逃したベイスターズ。しかし、3年前に比べてチームに地力がついてきたのは間違いない。投打ともに若い選手が台頭し、グリエルやブランコをはじめ適材適所に戦力をしっかりと補強してきた。粘り強いチームの戦いと、中畑監督を中心にしたファンサービス、球団のアイデアあふれる企画がファンの心をつかみ、観客動員数は右肩上がりだ。

2014/10/07

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 今シーズン、プロ野球ファンから一目置かれる存在になった横浜DeNAベイスターズ。5位という順位は確定したが、親会社が㈱ディー・エヌ・エーになって3年目、昨年6年ぶりに最下位を脱出すると、今年は開幕直後こそつまずいたが、その後はしぶとく戦い、今季巨人との対戦は勝ち越しを決めるなど、地力はついてきた。

 好調の原因はいくつかあるのだが、まず後半戦は投手陣の奮起が挙げられる。

 昨年リーグ最下位だった防御率4.50が3.75(10月6日試合前)に大幅に向上した。月間MVPを獲得した井納翔一、山口俊、モスコーソをはじめ、ハーラートップ争いをする久保康友、そしてクローザ―のルーキー三上朋也らの活躍により、数年前に比べて投手陣は整備されてきた。

 打撃面では、筒香嘉智、梶谷隆幸といった若手が成長し、またキューバからグリエルのサプライズ加入もあり、非常に勝負強い打線になった。

観客動員数は引き続き、右肩上がり

 あえて投打面以外に刮目するならば、横浜スタジアム(以下ハマスタ)の雰囲気がガラリと変わったことだろう。
 とにかく多くの観客がハマスタに詰めかけている。今季は観客動員100万人突破を球団史上最速の52試合目(8月18日)に達成している。
 ちなみにディー・エヌ・エー体制初年度の一昨年は66試合目(10月2日)だった。

 当然、観客が多く集まれば大歓声の中、選手たちは奮起する。昨年のホームの成績は28勝44敗と大きく負け越したが、今年は34勝37敗1分(10月6日試合前)といった具合に粘り強さを見せている。

 もちろんチーム状態がいいからこそ観客もハマスタへ足を運ぶというものだが、そこはフロントのマネージメント努力も忘れてはならない。ディー・エヌ・エー体制になった一昨年から目新しいイベントを次々に仕掛けマーケティングしているわけだが、その顕著な例が、今年始動した『まちづくりプロジェクト I☆YOKOHAMA』だ。

 コンセプトは『人と人をつなぐ、人と街をつなぐ野球』。野球に造詣の深い横浜市民、延いては神奈川県民に対し、さらに野球を身近に感じてもらうといった狙いのあるプロジェクトだ。最寄りの駅にバーチャルスコアボードを設置し、日常会話のきっかけに野球を利用してもらったり、キャラクターやチアリーダーたちが地元商店街などのイベントに参加するなど草の根レベルでチームに愛着を持ってもらうと活動をしている。

 また、その一環としてあるのが『コミュニティボールパーク構想』だ。池田純球団社長いわく「目標はディズニーランド」と言うように、球場を改修し訪れるだけでも楽しめる環境作りを目指している。

 例えばスタジアムの周辺に遊具を設置したり、トークイベントを開催したり、試合のやっていない日でもビアガーデンをオープンするなど、さまざまなアイデアで来る人を飽きさせない。

 その集大成がハマスタ夏の風物詩になりつつある『YOKOHAMA STAR☆NIGHT』だろう。今年は8月8~10日の3日間開催され連日満員の客がハマスタへ詰めかけた(期間中は、天候や試合展開の影響ですべての催し物が行えなかったのは残念。しかし、過去このイベント期間中は未勝利だった中で、ついに8月9日に初勝利。ファンは何よりも喜んだはずだ)

 選手と同じスペシャルユニホームを配布し、球場はブルーに輝き一体感が高まる。盛りだくさんのエンターテインメントは『次の野球』を感じさせてくれる。野球を軸に、このような観客や住民を心ゆくまで楽しませる姿勢が集客増加に繋がっているといっても過言ではないだろうし、延いてはそれがチーム力に繋がっていると信じたい。

 来季、引き続き中畑清監督が指揮を執る。ベイスターズの監督として4年目を迎える中畑監督には、正真正銘の結果が求められる。一方で、観客動員が150万人を突破した集客力をよりアップさせて、経営の基盤をより強固なものにする必要があるだろう。

 チーム力アップと経営力アップを両輪に、DeNAの冒険はまだまだ続く。



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