プロの壁に立ち向かう清宮幸太郎。待ち遠しい才能開花の時【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#125】
シーズン開幕してから、ファイターズは特に打線が低迷している。この現状を打開するうえで、やはり清宮幸太郎に期待をしたい。
2020/07/12
中田以外湿っている打線
1時間ほど前、オリックス4回戦を見終えたばかりだ。Jスポーツ中継を消して、しばらくぼーっとしていた。立ち直るまでに時間を要した。有原航平はまた勝てなかった。7回を2安打無失点に抑えて、残りのイニングを実績のある宮西、秋吉にリレーする。が、この投手交代はオリックスに利したようだ。宮西は1失点、秋吉は(9回2死無走者まで行きながら)四球2つ出してロドリゲスにサヨナラ弾を喫する。
この日、今シーズン初めて観客を入れた形でプロ野球が開催され、実に3球場でサヨナラホームランが飛び出した。ほっともっとフィールド神戸、甲子園の2球場は雨天中止と降雨コールドだったから、実質4分の3という高確率でサヨナラ弾が出たことになる。これはもう、観客がドラマをつくったとしか言いようがない。京セラの観客は拍手でバファローズを後押ししていた。僕はとても好ましい印象を受けた。プロ野球はやっぱりファンあってのものだ。一投一打に球場が呼吸しているようだった。
※但しワンシーンだけ、伏見寅威選手の打席で、プレーを邪魔するヤジがあった。球場が静かだからヤジ(とそれに反応した笑い声)が聞こえてしまうのだった。あれはテニスじゃないけど「クワイエットプリーズ!」だ。今は現場とファンが協力して「野球」を守っていく時期じゃないだろうか。
といって「9回2死無走者」からサヨナラ被弾したチームのファンとしては、到底「観客がドラマをつくった」と綺麗ごとを言ってもいられない。もう、ドラマなんてつくらなくていいのだ。リードしたまま何ごともなく逃げ切ってほしかった。正直言ってオリックスの強さにたじたじである。ロッテ戦でいきなり「同一カード6連敗」してくれたから、先方が最下位になってくれてるが、勢いはファイターズより上だ。第一、打線がいい。ジョーンズ、ロドリゲスに当たりが出てきたし、何と言っても現在、リーグの首位打者・吉田正尚(.375 7月10日23時現在)がいる。
一方、ファイターズは本当に打ててない。当たっている中田翔ですら3割に届かない。チーム打率は12球団ワースト。「近藤健介四球→中田翔長打」のところを回避されてしまうと、なかなか攻め手が見つからない。
しかし、ちょっと珍しいくらい打線が湿っていると思う。「中田以外全員不調」(!)くらい言っていいんじゃないか。近藤健介ですら(四球を選び、出塁率こそ高いが)本来の安打製造機ぶりは発揮できてない。
1、西川遥輝(中)
2、大田泰示(右)
3、近藤健介(左)
4、中田翔(DH)
5、渡邉諒(二)
6、清宮幸太郎(一)
7、ビヤヌエバ(三)
8、石川亮(捕)
9、中島卓也(遊)
これがオリックス4回戦(10日)のスタメンだ。この日の新味は石川亮が今季初スタメンというところ。この試合で明るい兆しが見えたのは2安打の西川遥輝くらい。但し、西川は肩痛の不安を抱えているようで、守備面からして本調子ではない。