読売ジャイアンツ前半戦通信簿「出現せよ!第2の原辰徳」
いよいよ混セの後半戦が始まる。4連覇を目指すジャイアンツがペナントを制するためには何が必要だろうか。
2015/07/20
借金1の2位で前半戦を折り返した巨人
プロ野球夏フェス・夢の球宴は全セの2連勝で終わり、いよいよ20日から後半戦スタート。
首位から最下位までが4ゲーム差内にひしめく大混戦のセリーグ。
V4を目指す巨人は86試合42勝43敗1分けと借金1にもかかわらず、リーグ2位につけている。
と言っても、首位DeNAとは0.5ゲーム差、3位阪神とはゲーム差なし。
まさに毎日が天王山。
激戦必至の後半戦突入前に、ジャイアンツの前半戦を5段階の通信簿システムで振り返ってみたい。
世代交代の過渡期 【投手陣】5点
12球団トップのチーム防御率2.92を誇る投手陣。
先発陣は防御率リーグ1位の菅野智之を軸に、ベテラン杉内俊哉、助っ人のポレダとマイコラス、さらにドラ3右腕の高木勇人や19歳サウスポー田口麗斗らが奮闘。
特に新加入組は、高木勇が3月・4月度月間MVP獲得、ポレダは対阪神戦に4戦4勝、マイコラスは6月度月間MVP獲得とそれぞれ貴重な戦力となった。
今季からクローザーに転向した澤村拓一も35試合に登板すると20セーブを記録。
不安点を挙げるとしたら、やはりリーグ三連覇を支えてきた山口鉄也とマシソンの勤続疲労だろう。
すでにチームは21度の逆転負けを喫しており、山口は防御率3.07で自己ワーストの4敗、マシソンも防御率2.43ですでに5敗だ。
後半戦はポレダの中継ぎ転向の可能性もあり、2軍からは内海哲也・大竹寛・小山雄輝らが昇格のチャンスを伺う。
10年周期と言われるプロ野球の主力投手事情。
古くは堀内恒夫が江川卓や西本聖にその座を奪われ、その江川や西本も桑田真澄や斎藤雅樹に取って代わられた。
今の巨人は30代中盤の内海や杉内の時代から、菅野や高木勇ら若手投手への世代交代の過渡期とも言えるだろう。
新たなる助っ人の補強が活性剤になるか 【野手陣】2点
開幕から極度の打撃不振に陥り、12球団最低のチーム打率.237に終わった攻撃陣。
リーグトップの63盗塁も、前半戦で二ケタ本塁打到達者なしは1955年以来60年ぶりの屈辱である。
復活が期待された阿部慎之助は、開幕直後に捕手に復帰してチームを救う活躍を見せるも、故障が原因で1塁へ再転向。
前半戦は打率.241・7本・22打点・OPS.753と不本意な成績に終わった。
昨シーズン、原監督が「80年の球団史でも最高の守備力」と評した守備面でも、今季は度々脆さを露呈。
緊急補強のフランシスコも2軍暮らしが続いたのち、故障治療のためドミニカへ一時帰国
補強期限締め切りを前にカステヤノスの獲得調査報道も出ており、新助っ人が打線の起爆剤となるか注目される。
正直、投手陣とは対照的に、阿部・村田からの世代交代がスムーズにいっていない印象のある野手陣。
26歳の新キャプテン坂本勇人に続く若手は誰なのか?
25歳の立岡宗一郎が35試合で打率.314・7盗塁とアピールを続けているが、大田泰示・中井大介・小林誠司らの台頭にも期待したい。
いつの時代も、ポジションは与えられるものではなく、奪うものである。