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ゴールデンルーキー・有原航平 期待が高いからこそ「まとまっている感」に物足りなさ【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#8】

昨年の4球団競合の結果、ドラフト1位でファイターズに入団した有原航平。ファンもゴールデンルーキーへの期待が高いからこそ、どこか物足りなさも感じてしまう。「今日の有原はしびれた」という投球をファンは楽しみにしている。

2015/07/24

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ファンが見たい、有原の姿

 札幌ドームで行われた楽天戦17回戦(7月21日)は、ゴールデンルーキー・有原航平の課題を示すゲームになった。
 
 昨年ドラフトで4球団から1位指名を受け、鳴り物入りでファイターズに入団した早大卒右腕は、ここまで大順調だった。開幕後はファームで調整を重ね、5月15日、1軍に昇格するや即オリックス戦10回戦で「12球団新人初勝利」を飾っている。常時150キロのストレートを投げるルーキーなんて滅多にいないだろう。変化球でも簡単にストライクが取れる。「試合が作れるピッチャー」と首脳陣の評価も高かった。で、トントン拍子に4つ勝ったのだ。たったの2カ月半で新人が4勝したらフツーは賞賛される。
 
 が、有原は期待が高い分、求められるものも並のルーキーと違う。
 
 これまでも「球速のわりに迫力がない」「若さがない」と辛口評をする解説者がいた。全体に高いレベルにあることは確かだ。まとまっている。だから何となく勝ってしまう。が、球場に来たファンが「今日の有原はしびれた」と満足して帰ってもらえる水準かといったら、まだそんな域ではない。まぁ、キャラクターも落ち着いてるんだけどね。もっと闘志むきだしのタイプだったら、見え方がきっとぜんぜん違うのだが。
 
 楽天戦17回戦で見えた課題とは「決め球」だ。2ストライクまでは追い込むのである。カウント球は文句ない。その後の勝負球がこれといって見当たらないのだ。この日は2ストライクに追い込んでから甘い球が多くて、楽天打線につかまっていた。ただ面白いことに3ボール2ストライクのフルカウントからは、スライダーが絶妙のコースに決まったりして、何となくピンチを切り抜けるのだ。まとめると「カウント球は良くて、決め球は甘くて、ぎりぎりまで行くとどうにかなる」という、典型的ないいんだか悪いんだかわからない投球だった。何か表現がルーキー評っぽくないでしょ。ベテランの「味のピッチング」を評してるみたいだ。

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