【データで選出9月月間MVP】球団月間安打記録更新のDeNA・梶谷が最高評価。投手は中日・大野雄大が断トツ
2020/10/05
DELTA
両リーグともに1番打者が最高の貢献
評価には(1)セイバーメトリクスの一手法を用いて選手のはたらきを得点換算し、(2)同じ出場機会を「平均的な成績の選手」が担った場合のはたらき(得点)を基準(=0)に置き、どれだけ上積みをつくったかという推定値を算出して行った。「平均的な成績に対して大きな差をつくり」、また「その状態で多くの出場機会を重ねていく」ことで増えていく数値なので、質と量、両面での貢献を見ることとなる。図中の[]で囲んだ項目でグラフが右に伸びているものはリーグ平均以上、左に伸びているものは平均以下だった数値だ。
まずは野手から見ていく。セ・リーグは梶谷隆幸(DeNA)、パ・リーグは西川遥輝(日本ハム)がそれぞれ16.2点、11.7点と最高の貢献を果たした。梶谷は9月、球団の月間最多安打記録を更新する42安打を記録。これにより.378と高い打率を記録している。ただ打率だけでなく、月間5本塁打を放つなど高い長打力も発揮した。一方の西川は月間で23もの四球を奪い、.458と高い出塁率を記録している。
梶谷、西川はともに1番打者であるため、それぞれ124打席、121打席と多くの打席がまわってきている。好成績を残したことはもちろんだが、好成績のまま多くの機会をこなしたことが高い評価につながった。また西川は月間10盗塁を記録するなど、走塁面でも高く評価されている。
名手・源田が貫禄の守備力を発揮
守備評価には同じイニングを守った平均的な同ポジション選手と比較してどれだけ失点を防いだかを表すUZR(Ultimate Zone Rating)を使用する。しかしUZRは同ポジションの選手との守備を比較する指標であるため、今回のように異なるポジションの選手を比較する際は、ポジション間の補正を行う必要がある。一般的に高い守備力、もしくは独自性のあるスキルを要するポジション(遊撃手や二塁手、捕手など)を守った選手はプラスに補正をかけ、その逆のポジション(一塁手や左翼手など)はマイナスの補正をかけるといった具合だ。この守備位置補正をUZRに加えたものが守備貢献となる。
守備面で最も高い貢献を残したのが源田壮亮(西武)だ。源田の守備は平均的な野手に比べ、月間で5.2点多く失点を防いだと評価されている。またこの月の源田は評判の高い守備だけでなく、打撃でも好結果を残した。結果、パ・リーグ1位の西川とわずか0.2点差の2位につけた。ほかには吉川尚輝(巨人)や近本光司(阪神)も高い守備貢献が評価されていたようだ。