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【データで選出9月月間MVP】球団月間安打記録更新のDeNA・梶谷が最高評価。投手は中日・大野雄大が断トツ

2020/10/05

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山本・千賀らを上回った大野の総合力

 投手の評価も質と量両面でどれだけ貢献したかから求める。質は「奪三振」、「与四死球」、「被本塁打」、「ゴロかフライかライナーかといった打たれた打球の種別」、量は「投球回」によって決まり、そこから平均的な投手と比較しどれだけ多くの失点を防いだかを算出する。
 

 
 パ・リーグは山本由伸(オリックス)、セ・リーグは大野雄大(中日)がそれぞれ10.2点、13.9点と最高の貢献を残した。大野は両リーグ合わせても頭一つ抜けた貢献を残している。
 
 山本と大野はそれぞれ9月に37回、40回を消化。特に大野は5試合の登板のうち4試合で完投を記録。量の面で大きな貢献を残した。ほかには千賀滉大(ソフトバンク)、上沢直之(日本ハム)もそれぞれ37回2/3、38回を消化している。
 
 ただ大野が断トツの貢献を残すことができたのは、量だけでなく質の面でも高い貢献を見せたためだ。40回を投げながら、奪三振42に対して四球はわずかに4つ。さらに50%弱が平均となるゴロ率でも58.9%と、より多くのゴロを打たせることで失点を防いだ。
 
 奪三振割合(奪三振/打者)では千賀と山本が、与四球割合(与四球/打者)では福谷浩司(中日)や西勇輝(阪神)が大野と同等、あるいはそれ以上の貢献を見せていた。また、山本やバーヘイゲン(日本ハム)はゴロ率において大野をやや上回る数字を記録している。しかし彼らは1つの分野で大野に勝ることはあっても、ほかの分野では大野にかなり差をつけられてしまった。大野が断トツの成績となったのは、ある分野において突出しているのではなく、トータルで好成績を収めたためのようだ。
 
DELTA@Deltagraphshttp://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。
 
 
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