大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



ローズが153打点。ペタジーニがついに来日 セイバーメトリクスの視点で過去の打撃ベスト10を振り返ろう ~1999年編~

2020/10/24

text By

photo

Getty Images, DELTA・道作



1999年のパ・リーグ

チーム   試合 勝率 得点 失点 得失点
ダイエー  135 .591 563 553  10
西武    135 .560 535 513  22
オリックス 135 .511 620 577  43
ロッテ   135 .474 541 538  3
日本ハム  135 .451 614 625  -11
大阪近鉄  135 .412 595 662  -67
 

 
 来日4年目を迎えたタフィー・ローズ(近鉄)が、いよいよwRAAトップになっている。ここまでの実績では多くいる優良外国人選手の1人であったが、このシーズンから歴史的な豪打を披露しはじめる。wRAA、1打席あたりの得点貢献を表すwOBA(※3)、長打率、本塁打、打点でリーグをリードした。91年頃には日本のMLB選手名鑑で「ローヅ」の名で、スピードとパワーを備えた好素材としてプロスペクト扱いされていたこともあった。来日当初は盗塁にも積極的で、35歳を過ぎても日本球界でセンターを守るなど、身体的なポテンシャルの高さはNPBでも随所に見られた。

 2位のイチロー(オリックス)は打率・出塁率でリーグ首位。首位打者はこれで6年連続になる。この年は20本塁打を超えており、長打力も発揮した形だが出場は103試合に留まった。1994年のブレイクから1998年まで1試合も休まなかったイチローだが、この年と翌年で62試合の欠場となっている。
 
 3位松井稼頭央(西武)はこの頃から圧倒的な身体能力が打撃成績にも表れてきた。32盗塁をマークして3年連続の盗塁王にも輝き、極めて危険な選手となっている。西武は新人・松坂大輔の鮮烈な活躍もありチーム全体として失点を防ぐ能力は万全だったが、松井稼以外の攻撃力が弱く、優勝を狙うには補強が必須の状況であった。アレックス・カブレラが来日するのはこの2年後のこととなる。
 
 6位に小笠原道大(日本ハム)、7位に松中信彦(ダイエー)、9位に城島健司(ダイエー)と、この後10年近くパ・リーグを担う打者も顔をそろえ、いよいよ2000年代の空気が漂いはじめている。
 
 ベスト10圏外での注目選手は日本ハムのシャーマン・オバンドー。シーズン途中の来日であったが日本野球に問題なく適応。規定打席に達していないがリーグ3位に相当するwOBA.402を残した。来日前の実績としては、1994年に3Aで446打席で打率.330、20本塁打を放ったのが目立つ程度。この時は1996年に読売に在籍したジェフ・マントとチームメートで、このシーズンはマントの方が良く打っていた。その他のシーズンに目立った記録はなかったが、日本では素晴らしい成績を残した。日本球界への適性が抜きんでた選手であった可能性がある。

1 2 3


error: Content is protected !!