12球団の人口ピラミッドは? 球団別年齢分布・年齢構成から見るドラフト・FA補強ポイント<パ・リーグ編>【ドラフト2020】
プロ野球志望届の提出が12日に締め切られ、高校生216人、大学生158人の計374人のドラフト指名候補が出そろった。26日のドラフト会議、またオフの移籍市場を前に、各球団の補強ポイントを、年齢構成の観点から探る。(※図表には、引退を表明している選手らも含まれる)
2020/10/23
福岡ソフトバンクホークス
投手の分布はピークの形。育成出身選手が主力として活躍するソフトバンクらしく、20代後半から30歳くらいまでの層が充実している。ソフトバンクの特徴は高卒野手が圧倒的に多いことだ。そしてその多くを自前で育て上げている
高卒選手は育成指名で大量にとり、ピラミッドの形を矯正しているソフトバンク。その育成からどんどんいい選手が出てくるのだから、システムがしっかりしているといえる。
プロ球団の年齢構成は、人口ピラミッドで言うところの「つぼ型」と「つりがね型」とを行き来するのが従来の形であったが、育成契約をうまく活用することで「ピラミッド型」を実現。広島や日本ハムなどのお株であった「育成」して勝つという理想形を、支配下でやるのではなく、育成でやるのがソフトバンク式だ。数シーズンを「再建」の名目で育成に当てることなく、真の常勝を作り上げている。
一昔前の強豪球団の形として、巨人に代表されるようなFAで大型補強をするというものがあった。しかし、いまの強豪の理想形は育成契約を上手く利用して選手を自前で育て上げ、球団内で高い競争力を維持することが秘けつであるようだ。一方でFA参戦率は、やはり低下傾向にある印象だ。
ソフトバンクと並ぶ21人の育成選手を抱える巨人も、「ピラミッド型」に近くなってきているが、FAにも積極的に参加するため、育ってきた戦力との起用バランスに苦労しているのではないだろうか。また、オリックスが、昨季このトレンドに乗って育成選手8人を指名。近い将来、この戦略が実るかどうか、検証したいところだ。
潤沢な資金力があってこその育成ピラミッドだが、一方で、FAやトレードで常に血の入れ替えを行い、成果を挙げつつあるのがロッテと楽天だ。
この2球団に共通するのは、経験豊富な選手を積極的に獲得することだ。また、育成枠を、再起を目指す選手にあててている割合が多いことも共通している。ピラミッド型を目指すというより、経験ある選手を生ける教材として選手契約し、若手にいい影響をおよぼしている。
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