【野球コラム】2000本安打達成も獲得当時は賛否両論 数字という結果で、楽天ファンの心をつかんだ松井稼頭央
楽天・松井稼頭央が、王手をかけていたプロ野球史上46人目の2000安打を達成した。2011年以降、楽天選手の安打、二塁打、三塁打、本塁打、打点はトップの数字。さらに今季からコンバートされたライトの守備でも存在感を発揮している。
2015/07/29
数字が物語る、ライト・松井のすごさ
外野手本格挑戦になった今シーズンは、89試合中77試合でスタメン出場している。うち72試合で右翼スタメン。右翼の守備には全守備回の76%で就いている。不安視されたその守備も、ここまで目立った問題はない。それどころか、楽天の右翼手の守備力として、きわめて優れた数字をはじき出している。
確かに、内野手時代からの強肩はいまだ衰え知らず。ライトで遺憾なく力を発揮し、走者の進塁をよく阻止している。
ライト松井稼、走者1塁または1、3塁、打者の右前単打で1塁走者の3塁到達がどのくらいあったかを調べてみた。機会23、三進5。三塁到達率21.7%。この数字は傑出値である。
一般に、外野単打で1塁走者が3塁進出するには、3塁から最も距離が遠くなる右前安打の時が狙いやすくなる。本来なら40%前後になっていても不思議ではない数字なのだ。実際、初V時の楽天右翼手の数字は約40%だったし、今季も松井稼以外の右翼手の時は50.0%(機会10、三進5)だった。松井稼による走者進塁阻止力の凄まじさが数字からも証明されているのだ。
後半戦もタフな戦いが続く楽天。2年ぶりのクライマックスシリーズ争いに進出するには、今なお一線級の輝きを放つベテランの力は欠かせない。