【野球コラム】50敗目を喫した中日ドラゴンズ 選手起用で打つ手を誤った谷繁監督
混セの中で、中日は蚊帳の外という感がある。チーム打率、防御率など数字だけを見れば他の5球団と比較しても劣っているわけではない。一体、低迷する理由はどこにあるのだろうか。
2015/08/01
采配に余裕なし?
7月26日の東京ヤクルト戦に7-8で惜敗し、中日ドラゴンズは50敗目となった。反対に、7連勝を飾った東京ヤクルトは首位を走る。セリーグの混戦は予断を許さない状況が続くものの、今季ワーストの借金11となった中日は蚊帳の外という感がある。
一つひとつの勝敗を分析し、結果論で敗因を指摘しても意味はない。
ただ、得点や失点をはじめ、チーム打率、防御率といった数字を見れば他の5球団と比較しても劣っているわけではなく、戦力面や選手のパフォーマンスに問題がないのも明らかだ。
どうしても、谷繁元信監督の戦い方や選手起用に焦点を当てざるを得ない。
大きなポイントとなったのは、5月2日の横浜DeNA戦だ。
阪神との開幕カードで3連敗を喫したものの直後の7連勝で立ち直り、4月を終えて15勝15敗。5月1日に本拠地で横浜DeNAに快勝し、ようやくエンジンがかかった感のあった翌2日も、今季初の先発に抜擢された小熊凌祐が6回1失点と好投し、8回裏には決定的と思える1点を奪って3-1で9回表を迎える。ストッパーの福谷浩司は簡単に二死まで漕ぎ着けたが、筒香嘉智の内野安打から3連打を許して1点差に迫られると、さらに関根大気には逆転となるスリーベースを打たれてしまう。
この時、本塁での判定を巡って球審に手を出したとして、“捕手・谷繁”は退場処分を受けてしまう。
「谷繁監督は無類の負けず嫌い。自分がマスクを被っているのに、ああいう無様な負け方をしたことで、ひとつのミスや黒星をすぐに取り返そうというか、何か采配に余裕がなくなったという感じがしました」