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1番高橋由伸が初のリーグトップに セイバーメトリクスの視点で過去の打撃ベスト10を振り返ろう ~2007年編~

2020/11/26

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Getty Images, DELTA・道作



2007年のパ・リーグ

チーム    試合 勝率 得点 失点 得失点
日本ハム   144 .568 526 489  37
ロッテ    144 .555 629 525  104
ソフトバンク 144 .525 575 508  67
楽天     144 .472 575 676  -101
西武     144 .465 564 585  -21
オリックス  144 .446 536 585  -49
 

 
 この年、日本球界に復帰したタフィー・ローズ(オリックス)が、持ち味の長打力を武器にwRAAランキング1位となっている。1打席あたりの得点貢献を示すwOBA(※3)、出塁率、長打率がすべてリーグ首位。リーグ全体で得点が伸びにくかったシーズンにしては相当に高い数値を記録した。日本球界離脱前の3年間はやや打棒が冴えなかったこと、再来日前のシーズンはほぼプレーしていないことなどを考えると異例の復活と呼べるだろう。基礎能力の高さを再確認させられた。

 2位はこちらも復活組の山崎武司(楽天)。ローズとの本塁打王争いは終盤まで続いたが、閉幕間際にローズが離脱し11年ぶりのタイトル返り咲きとなった。このときは両者ともに39歳を迎えるシーズンであった。首位打者の最高齢が36歳であることを考えると本塁打の部門は高齢の選手にも活躍の余地があることの表れである。同時に獲得した打点王は自身初のものであった。
 
 打率.334で首位打者を獲得した稲葉篤紀(日本ハム)がランキング3位となった。この数年は全般的にストライクゾーンが広く設定されていたため、それほど四球を多くは取らない稲葉のようなスタイルの打者が相対的に成績を伸ばしやすい環境であった可能性はある。
 
 4位、5位にはグレッグ・ラロッカ、アレックス・カブレラの外国人選手が入った。どちらも好成績をキープしてのものだが、彼らのキャリアから考えるとややおとなしめのスタッツに終わっている。リーグ全体でも、強打者の基準としてよく引き合いに出される3割30本のラインはこの年1人もクリアできていない。2003年あたりと比べると環境の違いは昔日の感がある。ラロッカはこの年、28死球の現在も残るNPB新記録をマークしている。
 
 ベスト10圏外の選手についても死球つながり注目したい。大村直之(ソフトバンク)である。この年はランキング22位ながら打率.319と自己最高の成績をマークしている。もともと早打ちの選手であったためこの年はわずか9四球に終わっている。しかし一方で死球は10個を数えており、死球より四球の方が少ないという面白いスタッツを残した。
 
 ストライクゾーンが広くなった結果、リーグ全体で四球の少ない状態が継続している。使用球も中立に近い条件を提供した結果、数年前の行き過ぎた打撃優位は完全に抑えられた。またセパともに上位の長打率や本塁打が伸びず、パワー系の打者がやや苦戦を強いられた印象である。
 

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