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気になった菊池涼介の動き。指導者時代に選手へ伝えてきた「カバーリングやバックアップの重要性」

プロ野球春季キャンプが2月1日から、宮崎と沖縄で一斉に開始する。阪神タイガースでは、元巨人・中日で現在は評論家としても活躍する“バントの神様”川相昌弘氏が臨時コーチを務めることで話題となっている。今回は川相氏の著書『ベースボールインテリジェンス』から、11月30日に公開した技術論、指導論を再掲載する。同氏のコーチングを受けるつもりで一読すると、より深く野球を知るきっかけとなるかもしれない。

2021/01/27

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「いずれコーチになったときに、自分が困るぞ」

 私が、巨人でコーチをしていたとき、西武から片岡治大が加入してきた。片岡のポジションはセカンド。カバーリングやバックアップを怠ることがあった。片岡に言ったのは、「現役時代にそういうことを一生懸命やっておかないと、いずれコーチになったときに、自分が困るぞ」。コーチになれば、今度はカバーリングやバックアップ、全力疾走を徹底させる側になる。そのときに、「片岡さん、現役時代にやってなかったじゃないですか」と思うのが、今の時代の選手たちだ。周りのことをよく見ている。「あの人が言うなら、仕方ない」と説得力を持たせるプレーを、現役のときからやっておかなければいけないのだ。
 
 ショートもさまざまなプレーに関わるが、ついつい気持ちが緩みがちになるのが、キャッチャーからピッチャーの返球に対するバックアップだ。ランナーがいる状況であれば、必ず足を動かして、ピッチャーの後ろに入る。守っている位置が遠いときにはどうしても入りきれないときもあるが、それでも足だけは動かして、ピッチャーの方向に寄っておく。
 
 キャッチャーからの返球が逸れることなど、1年間で1回あるかないかだろう。でも、これもまた、絶対にないとは言い切れない。もしかしたら、ピッチャーがグラブに当てて、はじくかもしれない。文字通り「万が一」を想定して、準備をしておく。いざ、ミスが起きたときに、「静から動」であれば反応が遅れるが、足を動かしておけば「動から動」で対応ができる。
 

書籍情報


 
【現役選手、指導者へ贈る野球 IQ 向上メソッド】
ベースボールインテリジェンス 実践と復習の反復で「頭を整理する」
(著者:川相昌弘(元読売ジャイアンツ、中日ドラゴンズ)/四六判/272頁/定価1700 円+税)2020年12月7日発売
 
【本人による実技写真解説】
通算犠打数533は世界記録。ゴールデングラブ賞6回受賞。プロ野球人生で書き綴ったノートを基に、技術論・指導論を体系化。平凡な私がプロで生き残れた理由がこの本に詰まっている。
 
「頭を整理して、グラウンドで戦えるか」。
 
教わったこと学んだことをイチ早く吸収していくには、一度言われたことをしっかりと覚えておかなければいけない。漠然と練習をしているだけでは、技術も上がらなければ、戦術の理解度も上がっていかない。ひとつひとつのプレーや動きに、どれだけ根拠を持つことができるか。良かったことも悪かったことも自分の言葉で説明できるようにならなければ、本当の意味で理解したとは言えない。理解がなければ、上達にはつながっていかない。
 
本書は、心/守備(基本)/守備(連携)/バント/打撃/走塁の6つの構成から成る。いずれも、野球ノートに記してきた技術論や精神論をもとに、各分野を極めるためのポイントを詳細に記した。
 
【目次】
第1章 心の持ち方
第2章 守備(基礎)編
第3章 守備(連携)編
第4章 犠打編
第5章 打撃編
第6章 走塁編
 
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BASEBALL INTELLIGENCE ベースボールインテリジェンス 実践
と復習の反復で「頭を整理する」

 
川相昌弘(かわい・まさひろ)
1964年9月27日、岡山県出身。岡山南高では投手としてチームをけん引、甲子園に春夏計2回出場した。1982年のドラフト会議で読売ジャイアンツから4位指名を受け、内野手として入団した。選手層の厚いチームにおいて、守備力とバントで存在感を示すと、藤田元司氏が監督に就任した1989年に、レギュラーを奪取。以降、ジャイアンツの2番・ショートとして中軸のつなぎ役として活躍した。2004年から巨人でも一緒にプレーした落合博満監督率いる中日ドラゴンズへ移籍、新天地でも貴重な戦力として重宝された。2006年に現役引退後は中日・巨人のコーチを歴任。現在は野球解説者を務めている。

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