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巨人の新助っ人エリック・テームズとは KBOで飛躍した左の長距離砲、メジャーでは2017年にシーズン31本塁打【成績データ分析】

2021/01/05

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 ストーブリーグに突入したプロ野球。戦力補強で大きな比重を占めるのが、助っ人外国人選手の存在だ。近年は、メジャーリーグで輝かしい実績を残した選手の来日も珍しくなく、昨オフはメジャー通算1939安打を放ったアダム・ジョーンズ外野手や、遊撃手としてゴールドグラブ賞を受賞した経験を持つアルシデス・エスコバー内野手らビッグネームも来日した。
 

 
 新たな助っ人外国人選手の中にも、メジャーリーグで活躍した選手が名を連ねている。ここでは経歴、メジャー時代のデータに着目し、各選手の特徴やプレースタイルに迫っていきたい。今回は2021年シーズンを読売ジャイアンツでプレーするエリック・テームズ内野手だ。

経歴

 テームズは、アメリカ合衆国カリフォルニア州出身の34歳。身長180センチ、体重106キロ。右投左打の内野手兼外野手だ。2011年にトロント・ブルージェイズでメジャーデビューを果たし、シーズン途中から外野のレギュラーに定着。95試合出場で12本塁打を放った。以降は目立った成績は残せなかったが、2014年に移籍した韓国プロ野球(KBO)のNCダイノスで才能が開花。中心打者として3年間に渡って好成績を残した。2015年には打率.381、47本塁打、140打点、40盗塁、OPS1.287(出塁率.497+長打率..790)で打撃4冠に輝き、シーズンMVPを受賞。翌2016年には40本塁打、OPS1.106(出塁率.427+長打率.679)で最多本塁打と最高長打率を獲得する活躍を見せ、メジャー復帰を実現させた。
 
 ミルウォーキー・ブリュワーズでプレーした復帰初年度は、KBO時代同様の長打力を発揮。138試合に出場して打率.247ながら、31本塁打、OPS.851(出塁率.359+長打率.518)をマークした。昨季も25本塁打を放つなど存在感を見せたが、ワシントン・ナショナルズに移籍した今季は打率.203、3本塁打と成績が低迷していた。
 
 MLB通算成績は、605試合出場、打率.241、451安打、96本塁打、235打点、18盗塁、OPS.792(出塁率.325+長打率.467)となっている。

プレースタイル

 打撃面で特筆すべきは長打力だ。KBOでは3年間で通算124本塁打、メジャー復帰後も4年で75本塁打をマーク。138試合に出場した2017年は31本塁打、149試合に出場した昨季は25本塁打を放つなどスタメンに固定すればコンスタントに本塁打が期待できる。選球眼もまずまずで、長距離砲としては出塁率も高水準だ。一方で三振数が多く、2017年は469打数で163三振、昨季は396打数で140三振とコンタクト率の低さが課題に挙げられる。
 
 守備面を見ると、近年は一塁を主戦場としている。KBOでは2015年、2016年に2年連続で一塁手部門のゴールデングラブ賞を受賞。メジャーでも守備率.993とまずまずの安定感を見せている。しかし両翼をこなせる外野守備は、不安定で守備範囲も広くない。左翼はメジャー通算131試合で守備率.986、右翼は110試合で守備率.974となっており、外野手起用となれば、打撃への影響も懸念される。

ゾーン別打率


 
 上記は今季のゾーン別打率だ。打率.203と苦しんだ中で、外角を得意として内角高めと低めでも高打率を残したが、各シーズンで得意ゾーン、苦手ゾーンは異なっている。しかし、ど真ん中と外角ベルト付近はホットゾーンとしており、失投を逃さずにとらえられている印象だ。

球種別

 メジャー復帰後は、速球に強さを見せている。2017年は31本中18本、昨季は25本中19本が速球を本塁打にしたものだった。また、チェンジアップなどのオフスピードピッチも、2018年に打率.308をマークするなど苦にしている様子はない。一方で、カーブなどのブレーキングボールに対しては、4年間で1割台が3度と滅法弱く、他球種と比較しても断トツの三振率に終わっている。

左右別相性

 左打者ということもあって右投手に強く、左投手が弱点となっている。メジャー復帰後の4年間は、全てで対右投手の打率が対左投手の打率を上回っており、特に2017年は右投手に対しては打率.265、左投手に対しては打率.182と大きな開きが見られた。また本塁打、四球、出塁率などの他指標も、ほとんどで打率同様の傾向が見られた。



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