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「まさにお守りになる投手」。宮西尚生への絶対的信頼感【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#138】

まだまだ新型コロナの影響を受けるであろう2021年。しかし開幕までは限られた時間だ。有原が抜けて先発陣の再編成が迫られるが、リリーフ陣は宮西尚生を軸に様々な可能性が浮かび上がる。

2021/01/10

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軸の宮西がいるから描けるリリーフ陣

 なるほどなぁと納得するじゃないか。そして緊急事態宣言下のステイホーム生活にも通じる点が見つかる。準備なのだ。単調な繰り返しにも、先の読めない事態にも動じない準備をオフの間からしている。この本は宮西流のメンタルの切り替え術や、打者との向き合い方等、具体的に詳しく語られていて興味が尽きないのだ。
 
 で、不確定要素の多い2021年に思いをはせるとき、宮西だけはどんな状況になっても自分のパフォーマンスを発揮してくれるに違いない。勇気がわいてくる。「イレギュラーな局面」が単に試合状況だけでなく、コロナ中断のような大状況であっても、宮西は動じないだろう。去年のように秋吉の不調で急きょ、クローザーを任されるようなことになってもそこで自分の仕事をやり切る。たぶん彼にとってはクローザーも「イレギュラーな局面」のひとつだったんだと思う。
 
 では、今シーズンの宮西はどう起用されるだろうか、というのがファンの推理ポイントだ。もちろんいちばん王道の答えは「秋吉→クローザー、宮西→セットアッパー」という本来のポジションだ。宮西はセットアッパーの価値を創造し、その地位を高めてきた存在だ。2020年シーズンこそチーム事情で抑えを任されたが、それは決して正しい姿ではない。元に戻るべきだろう。
 
 が、もしかすると秋吉、宮西のダブルストッパーという起用法があり得ると思う。宮西が抑えで使えるのは去年実証された。もったいないじゃないか。秋吉は右打者、宮西は左打者と得意なところも違う。8、9回の相手打線のめぐりを見て、変えていく手はどうだろう。
 
 僕はこれ、どっちもあると思うのだ。栗山さんの考え方次第。そして、もう一案、ルーキー伊藤大海がクローザーで起用されるケースも想定してみたい。ドラ1の伊藤を先発で使うか抑えで行かせるかはまだ誰にもわからない。キャンプ、オープン戦で適性を見ていくことになるのだが、もしも侍JAPAN同様、クローザーで行くことになった場合、宮西、秋吉、そして石川直が(公文、堀、玉井らとともに)豪華中継ぎ陣を形成する。「パワーピッチャー型の抑え」プラス「技巧派の両ベテラン&モア」という配置だ。
 
 どうだろうか、宮西を軸に考えた場合、すごくチーム作りの解像度が上がらないか。宮西を真っ先に取り上げた所以である。まず宮西から考える。これが基本中の基本だ。大丈夫、やれる気がしてくる。さすが宮西尚生だ!!

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