千葉ロッテの新助っ人アデイニー・エチェバリアとは メジャー通算922試合出場、7球団渡り歩いた遊撃の名手【成績データ分析】
2021/01/06
Getty Images
ストーブリーグに突入したプロ野球。戦力補強で大きな比重を占めるのが、助っ人外国人選手の存在だ。近年は、メジャーリーグで輝かしい実績を残した選手の来日も珍しくなく、昨オフはメジャー通算1939安打を放ったアダム・ジョーンズ外野手や、遊撃手としてゴールドグラブ賞を受賞した経験を持つアルシデス・エスコバー内野手らビッグネームも来日した。
新たな助っ人外国人選手の中にも、メジャーリーグで活躍した選手が名を連ねている。ここでは経歴、メジャー時代のデータに着目し、各選手の特徴やプレースタイルに迫っていきたい。今回は2021年シーズンを千葉ロッテマリーンズでプレーするアデイニー・エチェバリア内野手だ。
経歴
エチェバリアは、キューバ共和国出身の31歳。身長183センチ、体重90キロ。右投右打の内野手だ。2012年にトロント・ブルージェイズでメジャーデビューを果たすと、翌2013年には移籍先のマイアミ・マーリンズで遊撃のレギュラーに定着。定評のある守備力を武器としていた。わずかに規定打席に届かなかった2015年には打率.281をマークするなどシュアな打撃も垣間見せた。
しかし2017年途中にタンパベイ・レイズへトレード移籍となると、翌2018年には3球団でプレーするなど多くの球団を渡り歩いた。この影響もあって出場機会が減少。2020年は27試合の出場で、オフにフリーエージェント(FA)選手として公示されていた。
MLB通算成績は、922試合出場、打率.253、778安打、37本塁打、273打点、35盗塁、OPS.641(出塁率.291+長打率.351)となっている。
プレースタイル
打撃面の通算成績は打率.253、37本塁打、OPS.641(出塁率.291+長打率.351)、本塁打数のキャリアハイは2019年の9本と長打力に欠ける印象だ。2013年は11盗塁、2014年は10三塁打を放つなど足を活かした攻撃も目立ったが、近年はやや影を潜めている。また早打ち傾向のため四球は少なく、三振数は平均程度となっている。
最大の売りは、メジャートップクラスの守備力だ。マーリンズに所属した2013〜2017年途中までは正遊撃手として活躍。通算813試合を守って守備率.979、アクロバティックなプレーと広い守備範囲でゴールドグラブ賞にも肉薄した。近年は二塁手、三塁手としての出場機会が増加。三塁守備は通算39試合を守って守備率.940と不安定で、全体の守備指標も全盛期には劣るが、内野3ポジションを守れるユーティリティーとして存在感を示している。
ゾーン別打率
上記は昨季のゾーン別打率だ。2020年は63打席と少なかったため、203打席に立った2019年のデータを使用した。主に真ん中から内角の球に高打率を残し、外角に苦戦していることがわかる。近年は、比較的内角を得意とする傾向が見られ、特に内角高めは2016年から19年まで4年連続で打率.350超のホットゾーンとなっている。
球種別
球種別の打率はシーズンごとに開きがあるが、キャリアを通じてチェンジアップなどのオフスピードピッチが高打率のシーズンが多い。しかし本塁打の内訳を見ると、37本中速球が15本、カーブなどのブレーキングボールが17本となっており、球種ごとに長打狙いや軽打といったアプローチを変えている様子だ。
左右別相性
左右別相性もシーズンごとに差はあるが、対左投手に強さを発揮するシーズンが多い。特に2018年は左投手に対して打率.321も右投手に対しては打率.219となった。しかし、対右投手の打率が対左投手の打率を上回るシーズンもあり、苦手とまでは言えないだろう。