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巨人・原監督が要所で使う作戦「ギャンブルダブルスチール」。川相昌弘が語る、成功させる最大のポイントとは

頭を整理して、グラウンドで戦え!実践と復習の繰り返しで、ワンプレー、1打席の濃さは明らかに変わる。犠打バント世界記録を持ち、ゴールデングラブ賞を6回受賞、指導者として中日ドラゴンズ、読売ジャイアンツで多くの選手を育ててきた川相昌弘が技術論、指導論を体系化した『ベースボールインテリジェンス』(川相昌弘著)が好評発売中!本書より一部を公開します!

2021/02/05

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作戦の成否はベンチの読み次第

 まだ現役監督として戦っている最中なので、どの場面とは具体的に書きづらいのだが……、ひとつの事例を紹介する。2019年4月4日の巨人対阪神では、初回に2点を先制したあと、二死一、三塁でダブルスチールを成功させている。打者が田中俊太で、一塁にアレックス・ゲレーロ、三塁に亀井善行、カウント1ボール2ストライクからの仕掛けだった。決して、足が速いランナーの組み合わせではない。それだけに、ダブルスチールがあるとは想定していなかったのか、キャッチャーの坂本誠志郎が二塁に投げた瞬間、亀井がスタートを切り、本塁を陥れた。
 
 守備側は走者一、三塁になったところで、ベンチにいるバッテリーコーチからキャッチャーに向けて守備のサインが送られる。もし、一塁ランナーが走ってきたらどのように対応するか。考えられる選択肢は、ピッチャーカット、セカンドスロー、サードスロー、ノースローの4つだ。2ストライク追い込んだあとには、バッテリーコーチがサインを出し直し、再びキャッチャーに伝える。なぜなら、打者不利なカウントになってから、仕掛けてくるケースがあるからだ。あのときの阪神サイドは、セカンドスローのサインだったのだろう。作戦の成否は、ベンチ同士の読み合いにかかっている。
 

書籍情報


 
【現役選手、指導者へ贈る野球 IQ 向上メソッド】
ベースボールインテリジェンス 実践と復習の反復で「頭を整理する」
(著者:川相昌弘(元読売ジャイアンツ、中日ドラゴンズ)/四六判/272頁/定価1700 円+税)2020年12月7日発売
 
【本人による実技写真解説】
通算犠打数533は世界記録。ゴールデングラブ賞6回受賞。プロ野球人生で書き綴ったノートを基に、技術論・指導論を体系化。平凡な私がプロで生き残れた理由がこの本に詰まっている。
 
「頭を整理して、グラウンドで戦えるか」。
 
教わったこと学んだことをイチ早く吸収していくには、一度言われたことをしっかりと覚えておかなければいけない。漠然と練習をしているだけでは、技術も上がらなければ、戦術の理解度も上がっていかない。ひとつひとつのプレーや動きに、どれだけ根拠を持つことができるか。良かったことも悪かったことも自分の言葉で説明できるようにならなければ、本当の意味で理解したとは言えない。理解がなければ、上達にはつながっていかない。
 
本書は、心/守備(基本)/守備(連携)/バント/打撃/走塁の6つの構成から成る。いずれも、野球ノートに記してきた技術論や精神論をもとに、各分野を極めるためのポイントを詳細に記した。
 
【目次】
第1章 心の持ち方
第2章 守備(基礎)編
第3章 守備(連携)編
第4章 犠打編
第5章 打撃編
第6章 走塁編
 
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BASEBALL INTELLIGENCE ベースボールインテリジェンス 実践
と復習の反復で「頭を整理する」

 
川相昌弘(かわい・まさひろ)
1964年9月27日、岡山県出身。岡山南高では投手としてチームをけん引、甲子園に春夏計2回出場した。1982年のドラフト会議で読売ジャイアンツから4位指名を受け、内野手として入団した。選手層の厚いチームにおいて、守備力とバントで存在感を示すと、藤田元司氏が監督に就任した1989年に、レギュラーを奪取。以降、ジャイアンツの2番・ショートとして中軸のつなぎ役として活躍した。2004年から巨人でも一緒にプレーした落合博満監督率いる中日ドラゴンズへ移籍、新天地でも貴重な戦力として重宝された。2006年に現役引退後は中日・巨人のコーチを歴任。現在は野球解説者を務めている。

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