セイバーメトリクスの視点で見るNPB歴代最強打者ランキング ~11位-20位~
2021/03/02
Getty Images, DELTA・道作
ローズ、カブレラは歴代最強外国人選手
12位の小笠原道大は1999年から2010年まで12年連続で規定打席をクリア。2000年から11年連続でOPS(出塁率+長打率).900を超えた。金本知憲は1995年から2009年まで15年連続で規定に乗り、wRAAシーズンベスト10入りを12回記録。1492試合連続フル出場の記録も保持している。両者ともに単年に高いスコアをマークするというよりは、高いレベルを長く継続した点が特徴である。なお、小笠原の規定打席到達、OPS.900以上が途絶えたのは2011年。この年は低反発球が導入された年にあたる。環境の変化により晩年のキャリアが割りを食った感がある。
外国人選手枠を経験した中で通算のwRAAが最も高いのはタフィ・ローズ。14位にランクインしている。外国人選手には珍しい10年を超えるキャリアがものをいったかたちだ。同様にカブレラも18位にランクイン。通算ではローズが上位となったが、140試合換算のwRAAやベスト5シーズン、ベスト10シーズンの数字では、すべてカブレラが上回っている。
日本プロ野球には、現在まで数多くの優秀な外国人枠選手が在籍してきた。しかし爆発的な成績と活躍期間の長さを両立させた選手は少ない。一時的に強力な打撃を披露しても諸般の事情から10年未満で帰国する選手がほとんどで、通算成績の上位に顔を出す選手は稀有である。近年、日本と他国の間で相互理解が進み社会生活のギャップが薄れてきたこと、枠の拡大などの環境変化により長く滞在する外国人選手も増えてきており、歴史的に重要な位置を占めることも定着しつつある。