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ダルビッシュも絶賛! 杉浦稔大、新守護神の起用は成功するか【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#142】

札幌ドーム初のオープン戦で、今年のファイターズのリリーフ陣の起用法が見えてきた。 注目すべき点は、9回に杉浦稔大がマウンドに上がったことだ。

2021/03/07

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9回杉浦の起用で栗山監督からのメッセージを受け取った

 温暖な沖縄・名護から一転、本拠地札幌ドームでの初オープン戦は、まだ街路に雪が残るなか行われた。いつも3月初旬はいったん札幌へ戻って、何となくヤクルト戦を消化するイメージだ。今年は西武戦だった。選手は空港に降り立ち、キーンと冷えた空気を感じてシャキッとするらしい。今季は異例の無観客キャンプ&練習試合だったから、3日のオープン戦は初の「客前」だった。そりゃ気持ちが上がる。それほど大入りでもなかったが、観客の視線があるのとないのとでは大違いだ。
 
 先発は「開幕投手」予定の上沢直之。指先から出血するアクシデントがあったが、それ以外は非の打ちどころのない内容だった。このまま26日の仙台へ向け、しっかり調整してほしい。先方はどうやら去年の最多勝・涌井のようだ。これはもう「ザ・開幕戦」である。楽しみだなー。
 
 投手陣は上沢の後、河野、堀、北浦、杉浦とリレーした。河野はローテを担(にな)ってもらわなきゃ困るし、堀は若手を脱却してプロの凄みを身に着けるときだ。北浦はもう2軍のエースに甘んじてはいけない。1軍でがっつり稼いでくれ。そんなことを思いながら試合を見ていた。西武打線が元気なくて、ファイターズ投手陣の良さばかり目立った。
 
※もっとも翌4日の西武戦はまったく逆、ワンサイド負けを喫するのだが…。
 
 さて、今日の本題、杉浦稔大だ。9回のマウンドに登場した。言ってみればこれはショーウインドウだ。栗山ファイターズは初オープン戦でメッセージを発したのだ。
 
「地元ファンの皆さん、今シーズン、うちの開幕投手は上沢です、エースローテで1シーズンまわってもらいますよ!」
「地元ファンの皆さん、クローザーは杉浦です、彼の快速球でゲームを締めくくりますよ!」
 
 僕はそういう意味だと受け取った。そして、杉浦はその期待に応え、三者連続三振に切って取る。圧巻の投球だった。後に試合動画を見たダルビッシュ有がわざわざ「凄い球!」とツイートしたくらいだ。ストレートの最速は152キロ、それが単なる速度表示じゃないのだ。球の伸びが素晴らしい。打者がわかっていて、待っていて空振りするストレートだ。クローザーの条件のひとつはもちろん「三振が取れること」だ。
 
 去年は秋吉が打ち込まれ、ファイターズの逃げ切りパターンが崩壊した。シーズン終盤、クローザーを託されたのは、杉浦と宮西の2人だった。が、去年にかぎって言うなら首脳陣の結論は「抑え宮西」であった。まぁ、いちばん安全な手で行ったのだ。百戦錬磨の宮西なら(調子の良し悪しにかかわらず)どこで投げても何とかまとめてしまう。まぁ、本当なら火消しの意味も兼ねてセットアッパーで使いたかったはずだ。去年は(宮西が後ろにまわったせいで)調子の悪いときの堀など火事を起こしていた。
 

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