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「セにいきたい」ボヤキたくなる強さ ソフトバンクに横綱相撲をとられたファイターズ【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#9】

2位ファイターズは、8月4日~6日のソフトバンク戦で3タテを喫し、首位とは11.5ゲーム差がついてしまった。ファイターズは、チームバランスを崩してまでも挑んだこの3連戦。ソフトバンクの強さばかりが際立った。

2015/08/08

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ベースボールチャンネル編集部



ファイターズのお株を奪う攻撃

 栗山英樹監督はこうなったら直接対決に活路を見出すしかないと、イレギュラーな投手起用を打ち出す。それがオールスター前の大谷翔平リリーフプラン(結局、実現しなかった)であり、今回の3連戦の「大谷中10日」「メンドーサ中4日」先発なのだった。
 
 栗山さんとしては、イレギュラーな起用でチームバランスを崩してでも夏場に差を縮めておきたかったのだ。それが全部砕け散った。
 
 僕は横綱相撲を取られたと思っている。スキがない。一般にソフトバンクは強力打線のイメージがあるが、実際は走攻守すべてのクオリティが高いのだ。オールスター明けからは先発陣が長いイニングを見事に抑えている。守備も堅いからロースコアで競り勝つゲームができる。この3連戦はバントや走塁がきっちりしていると感心した。足をからめた小技はファイターズの専売特許かと思ったら、こっちは何度もバントを失敗して、ソフトバンクは簡単に決めていた。送ったり進塁打を打たせたりができないもどかしさなのか、ついに栗山ファイターズは「負けてる試合で、無死1塁の貴重な走者をギャンブルで盗塁させ、アウトになる」シーンを演じ、ファンを失望させる。
 
 ただまぁ、それもソフトバンクの横綱相撲あっての話だ。ああやって、どっしり構えられると相手のほうがあれこれ考えて動く感じになる。走攻守すべてのクォリティと言ったが、いちばんすごいと思うのはチームの意識づけが徹底されてるところだ。あれは工藤公康監督のマネジメントなんだろうか。第1戦、コツコツ当ててチーム一丸で大谷を攻略してみせた手際。第3戦の1回裏、先頭の明石健志が出て、送りバントの場面、ファイターズの三塁手・レアードが不用意にベースを空けてるのを見るや、躊躇なく三塁を奪った、その状況判断。個々のタレントも強力だが、チームで戦う意識づけがハンパない。
 
 あれで2軍にまだ長谷川勇也がいるんだからなぁ。長谷川級が欠けてこのぶっちぎりだ。ファイターズは一度、体勢を立て直すしかない。何度でもチャレンジして、若いチームを鍛え上げるんだ。
 
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