”首位攻防戦”3連敗、若きファイターズは福岡ショックを払拭できるか
若いチームの良さが出た前半戦とは裏腹に、後半戦に入ってファイターズが苦しんでいる。
2015/08/09
力負けだった福岡3連戦
逆転優勝に向けて「ひとつも負けられない戦い」となった敵地・福岡でのソフトバンク3連戦、日本ハムは悪夢の3タテを喫した。
首位とのゲーム差は11.5に広がり、ソフトバンクに優勝マジックが点灯。夏の甲子園が始まったばかりなのに、パリーグには早くも秋風が吹き始めた。
この3連敗を、簡単に振り返ると次のようになる。
第1戦、2-7。中10日で初戦にぶつけたエース大谷が7回に集中打を浴び、自己ワーストの7失点。
第2戦、3-4。新人有原が粘りの投球を見せ、終盤に2点差を追いついたが、11回にサヨナラ負け。回跨ぎとなった守護神増井が初黒星を喫した。
第3戦、1-7。序盤からメンドーサが撃ち込まれ、打線も攝津に散発6安打といいところがなかった。
この3タテをひと言で表わすと、力負けという他ない。
初戦を大谷で落とした動揺は大きく、いつも真摯な対応を見せる栗山監督も試合後の会見を中断。チームはソフトバンクの勢いに飲み込まれ、いいところなく福岡を去ることになった。
先発平均25.3歳という12球団一の若さで開幕戦を戦った日本ハムが、二桁の貯金を維持してきたのは若さの長所を押し出しながら戦えていたからだ。
若さのいいところとは伸びしろであり、スピードだ。
若い日本ハムは他球団に比べて伸びしろが大きく、選手たちは経験を重ねることで着実に力をつけ、結果を出すことで自信をつける。中島は粘りに粘る1番というキャラクターを確立し、指名打者の近藤は天性の打撃センスを開花させた。
積極的にチャンスを与える日本ハムでは、若手が次々と台頭する。陽が離脱すると淺間や岡、石川慎吾が活躍し、田中が抜けると杉谷がしっかりと穴を埋めた。これは競争原理が機能する日本ハムならではの伝統といっていい。
もう一方のスピードは、抜け目ない走塁を指す。12球団最多の盗塁数を誇る日本ハムは、数字に表われない好走塁も多く、それによって多くの接戦を制してきた。