”首位攻防戦”3連敗、若きファイターズは福岡ショックを払拭できるか
若いチームの良さが出た前半戦とは裏腹に、後半戦に入ってファイターズが苦しんでいる。
2015/08/09
水先案内人なきいま、中田にも重圧が
だが、夏場になって勢いが鈍り始めた。
7月下旬からのオリックス、ロッテ、ソフトバンクとの3カードは、勝ち越しなしの2勝7敗。瞬く間にソフトバンクに引き離された。
勝負どころで勝てなくなったのは、これも若さゆえだろう。
若いチームは一旦、悪循環に陥ると抜け出すのが難しい。というのも若手は自分の仕事で手いっぱいになってしまい、チーム全体に目を配るベテランがいないからだ。
かつては稲葉や金子が助言、苦言を呈することで悩める若手を支え、勝利への水先案内人となっていたが、このふたりももういない。
気になるのがオールスター以降、快音が聞かれなくなった中田の不振だ。ソフトバンク3連戦では12打数無安打と沈黙。「俺に関しては試合に出る資格がない」と自分を責めた。
中田は一度不調に陥ると長引くが、これは得点源が彼ひとりというチーム事情と無縁ではないだろう。
陽は怪我に苦しみ、レアードはチャンスに強いが波が大きい。中田が打たなければ勝てないわけではないが、自分が打たなければという重圧に苛まれているのだ。
打線が分厚いソフトバンクでは、こういうことはない。だれかが不振に陥っても、だれかが必ずカバーする。
費用対効果を予算を考えれば、巨大戦力を誇るソフトバンクと互角に戦えないのも致し方ない。
思い出すのが2011年、このシーズン、日本ハムは2位につけたが、優勝したソフトバンクに17.5ゲームという大差をつけられた。今季のソフトバンクは、このときを上回る記録的なペースで白星を積み上げているのだ。
残り40数試合、現実的に考えれば目標は首位追撃から2位確保へと変わった。3位ロッテとの差は4.5ゲーム。決して安閑とはできない。
福岡ショックの重々しいムードを払拭して、前半戦の勢いを取り戻すことができるか。若いチームの真価が問われる終盤戦が訪れる。