コマがいない!? 河野竜生の先発ローテ入りが絶対条件の理由【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#143】
昨年から先発陣が大きく入れ替わることはこれまでも当コラムで取り上げてきた。しかし、外国人選手が来日できていないこともあり、先発の枚数が全く足りない。2年目のドラ1・河野竜生には、上沢直之に続く先発ローテの一角としてフル回転の働きが求められる。
2021/03/20
バーヘイゲン不在での開幕は想定外?
3月16日、のオープン戦(ロッテ戦、札幌ドーム)、河野竜生の好投には皆、ホッと胸をなでおろしたのだ。6回89球、2被安打1失点。走者を出しても粘り強く投げ、十二分に先発の役割を果たした。栗山監督も「魂のこもったまっすぐが投げられた」と絶賛だ。2年目のドラ1にはやってもらわなきゃ困る。もちろんローテ入りが期待されている。いや、期待なんてなまやさしいもんじゃない。ローテ入りは絶対条件。ローテ入りマスト。よろしく頼みます。
でも初回は、いきなり先頭の荻野貴司に3ベースを打たれ、ものすごく心配だった。前回登板のDeNA戦(9日、ハマスタ)で、2回9失点と炎上しているのだ。あのときはオープン戦不調のベイスターズ打線につるべ打ちを食らい、1つアウト取るのにも汲々としていた。河野本人も「話にならない」と凹んでいたのだ。もし、続けてロッテ戦でも炎上したらローテ候補から脱落だったと思う。河野も栗山監督も、見つめる僕らファンも祈るような気持ちだった。それがプレーボールかかって最初の打者に3ベース打たれたのだ。冷や汗が出た…。
河野のローテ入りがマストなのは、もちろん先発がいないからだ。読者よ、えらいことになった。「有原の穴」なんてのんびりした話をしてる場合じゃなかった。ぜんぜん足りない。僕は長いことファイターズファンをやってるが、開幕を迎えて、これだけ先発の駒が足りないのは40~59年ぶりじゃないだろうか。パッと浮かぶのは70年代半ば、高橋直樹で落としたら誰で勝てばいいんだという時代だ。
去年のローテから有原航平(ポスティング、→テキサスレンジャーズ)が消え、マルティネス(自由契約、→ソフトバンク)が消え、杉浦稔大(クローザーに配置転換)が消えた。通常でも主戦級が3枚欠けたらそれだけでニュースだ。
が、今年はそこに「コロナ禍」というファクターが加わるのだ。(王柏融以外の)外国人選手が来日できていない。去年、有原に次ぐ投球回(111回2/3)を投げてくれたバーヘイゲンがいない。先発候補と目される左腕、アーリンがいない。つまり、開幕の時点で5枚欠けている。ローテは6枚でまわすイメージだから5枚欠けるともう1枚しか残らない。
まぁ、わかりやすく言うなら上沢直之1枚なのだ。加藤貴之、金子弌大、河野竜生は去年フルシーズン、ローテでまわっていない。加藤、金子はショートスターターを務めたり、リリーフで使われたりだった。河野は調子を落としてブランクの期間があった。
栗山監督はまさかバーヘイゲン抜きで開幕を迎えるなんて思ってもみなかったと思う。上沢とバーヘイゲンがいれば、まだ「有原の穴」という次元ではないか。ポッカリ巨大な穴が開いたけれど、3連戦を「上沢、〇、〇」と「バーヘイゲン、〇、〇」の2セット組めばいい。だいぶ見えてくるのだ。〇の部分に加藤、金子、河野、あるいは上原健太、村田透、西村天裕あたりが加わる感じか。もちろん吉田輝星、伊藤大海、北浦竜次のフレッシュな活躍にも期待がかかる。
が、バーヘイゲンはいないのだ。報道ではNPB、Jリーグの外国人選手について(緊急事態宣言の解除後)特例として入国を認め、14日間の待期期間中の練習を認める政府意向ということで、多少メドが立ってきたところだが、いずれにせよ戦列に加わるのは早くて4月下旬、順当なところ5月にずれ込むとみられる。3、4月は外国人投手抜きで何とかしなくてはならない。ファイターズは急きょ、トレードで池田隆英を獲得、また育成の長谷川凌汰を支配下登録した。